06*(3/4)
まぁ、とりあえずシロ本人に聞くしかないんだけどさ。それにこいつ等は、未だにシロにビビってるしな。
「んー、シロは文字も書けないし話せないんだよね?」
「……(コクり)」
「じゃあ質問変える。元々、シロは文字も言葉も使えなかったの?」
「…! (ふるふるふる)」
「…お、おう。なに、口がどうかしたの?」
「…!! (舌を出す)」
「あぁ…なるほど? 健ちゃーん! 真ー!!」
わたしの質問に目を見開くとシロはぶんぶんと顔を振って、自分の口元を指差すとゆっくりと舌を出した。
そしてそこには、ルーン文字が刻まれていた。
つまり、最初から話せなかった訳じゃなくて、魔術で話せなくさせられてるって事ね。おかしいと思ったんだよね、こっちの言葉は理解してるのに文字が書けないとか。普通に声が出なくて話せないだけってならわかったんだけど、文字が全く書けないのはちょっと変だしね。
まぁ、全く学がなくて読み書き出来ないって可能性もあったけどさ。
「んだよ、ガキの子守りしてろよブス」
「うるせぇ、クソ眉毛。いいからこのルーン文字を見やがれ」
「……う、わぁ。だから、話せなかったの」
「……!! (必死にお腹を指差している)」
「はいはい、次はなんだね? パンツ見えるけど、ワンピース捲っていい?」
「…! (コクコク)」
「じゃあ失礼して、…うわぁ」
わたしに呼ばれて、あからさまに嫌そうな顔をする真と健ちゃんだったけど、シロの舌に刻まれているルーン文字を見るなり目付きが変わった。
おら、真剣にどうするか考えやがれ。
多分、舌と腹に同じルーン文字が刻まれているところを見るとアレが何かを封じてる感じ? いや、わたしにはよくわからんけど。
そして捲ったワンピースを元に戻すと、シロがしょんぼりした顔をしてわたしを見つめた。
うん、わたしは子供が苦手だがシロは可愛い上に生意気でもないので、優しく接してやる。とりあえず、難しい顔をしている真と健ちゃんに不安そうな顔をしているシロの頭をポンポン撫でる。
「…ルーン、アンスール…ニイド、解除」
「やだ、なにこの眉毛…怖い」
「黙ってろ無能」
「キレそう」
「…出来ない事も無さそう、だけど。花宮がやる?」
「いや…おい、精神力及び魔術が扱える奴は誰かいるか?」
「…! (コクコク)」
もう少し優しく話し掛けてやれよ。さすが子供嫌いなだけあるぜ。そして顔も合間って色々と最悪過ぎるぜ、クソ眉毛。しかも自分じゃなくて誰かに魔術をやらせようとしてる辺り、さすが真である。まぁ、さすがに精神力ってのがよくわからないからね、普通はやりたくないよね。
そして真の問い掛けにコクコクと頷くと、ゆっくりと真を指差すと更に氷室を指差した。
ぶ、真ざまぁ。
回避ならず。
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