06*(2/4)
◆◇◆◇◆
うーん、なるほど。
さすがにそう上手くはいかないよねぇ。
そもそも、なんで聖女がお助けキャラでセッティングされてんだよって話だよね。なんか普通にラッキー的なノリで楽観視してたけど、冷静に考えたら絶対におかしいよねぇ。
「つまり、罠って事か?」
「よーく考えて下さいよ。そもそも、わたし達は生け贄として喚ばれたんですから、生きて返す必要なんてないんですよ」
「でも脱出方法があるんだから、それで勝手に帰れんだろ?」
「そこですよ、そこ。なんでわざわざ、生け贄に脱出方法を教えてるんですか? 普通は有り得ないと思いません?」
「確かに、そうだな。じゃあ、青峰が連れて来たあの女の子は…」
「まぁ、そこは面倒臭いんでシロ本人に聞いた方が早いんじゃないですかね?」
珍しく話し合いに参加している3年組に話しにくいなぁ…とか思いつつも、わたしが説明をしているのは真達が魔導書及び魔術に夢中だからである。
まぁ、あっちは真達に任せとけばどうにかなるだろうし、別にいいんだけどね。
尚、戦力外の奴等はシロと一緒に何をするでもなく座ってわたし達の話をただ聞いている感じ。
で、笠松がシロに声を掛けようとしているのだが…何故か、話し掛け様としてはやめてを繰り返してて面倒臭い。聞きにくいなら、そこで暇そうにしてる宮地にでも頼めよ。
あ、いや、なんか子供苦手そうだから無理か。
チッ、仕方ねぇなぁ。
「シロ、こっちおいで」
「…! (コクり)」
「シロは絶対に嘘は言わないんだよね?」
「(コクコク!)」
「おーけー。なら、まずシロは生け贄っていうか人間?」
「……(ふるふる)」
「なっ!?」
「はっ!?」
…おっふぅ。
ほらな、知ってたよ。
そして、あからさまにシロから距離を取る面々にしょんぼりする様にうつ向くシロの頭をポンポンと撫でた。
だが、これでシロが嘘を付かないと言うのは信じてあげよう。
そもそも、本棚裏の隠し部屋に放置されてたとして…こんなに冷静なはずがないんだよなぁ。ましてや、見た目は小学生くらいの子供だし。
とりあえず、シロにビビってる奴等を無視して更にシロに問い掛ける。つーか、真達がほらなみたいな顔しててムカつく。こっち見んな、しね。
「じゃあ次、シロはわたし達の味方?」
「…!! (コクコクコク)」
「めっちゃ頷くじゃん。じゃあ、この脱出方法でわたし達は本当に帰れる?」
「(ふるふる)」
「やっぱりなぁ。他に脱出方法はある? またはシロが知ってる?」
「(コクり)」
ほーん…なるほど。
とりあえず、シロには徹底的に協力して貰わなきゃならん訳だが…脱出方法が他にあるって事がわかっただけいいか。
ていうか、今更ながらシロについて色々と気になる事がある訳だが。
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