06*(1/4)
なんか、わたしがなんでキセキが嫌いかを熱弁(罵倒込み)していたら探索組が帰って来ました。ちなみに何故か真がいなくて理由を聞いたら、なんか納得した。
それにすぐに真も戻って来たので別に良しとしよう。
それよりも、健ちゃん達がヤバい。なにがヤバいってさすが過ぎてヤバい、そして色々と絵面もヤバい。
真達から色々と探索中にあった事を聞いてたんだけど、全部吹き飛ぶレベルでヤバい。
「まぁ、アレだよ。青峰が拾って来たみたいな?」
「犬とか猫じゃねぇんだぞ、ふざけてんのか」
「いやいや、お手柄だから! 青峰、まじでナイス」
「…は? 意味わかんないんですけどー」
「多分、その子が聖女。詳しくは、これを読むべき! 青峰、こっちに女の子連れて来て」
「大興奮かよ」
いやいやいや、さすがに聖女が手に入ればこっちのもんでしょ。そりゃあ大興奮もするわ。
ゆっくりと青峰が女の子を下ろすと、女の子は不思議そうな顔をして頭を傾げた。
うん、顔は可愛いが無表情で媚びを売ってる様子もなくいいね。これはイライラしなくて済みそうだ。
とりあえず、ペンとノートを持って女の子の元へ行きそれを渡すと、更に頭を傾げた。話が出来ないなら、筆談なら出来るかなぁと思ったんだけど…
ペンとノートを悲しそうに見つめる女の子に嫌な予感がして、なるべく優しく声を掛けた。
「文字、書ける?」
「(ふるふる)」
「わたし達の言葉はわかるの?」
「(コクり)」
「えーと、名前とか…ある?」
「(ふるふる)」
「んー、じゃあ…聖女ってあなたの事?」
「………(コクり)」
まず、文字が書けないのは予想外だった。話せないだけかと思ってたからね、ちきしょうめ。で、日本語はわかるみたいだから…いいとして。
なんかめちゃくちゃ間があったけど、聖女って自覚があると。もしかしたら嘘の可能性はあるけど、まぁ…多分、嘘ではないと思う。
パチクリとわたしを見つめる少女は、何をする訳でもなくジッとわたしを見つめたままピクリとも動かない。
うーん、まるで生きてる人形の様だ。
「…へぇ、名前ないんだー? ポチとかどう?」
「お前なぁ…もう少しマシな名前考えてやれよ。犬とか猫じゃねぇって花宮も言ってただろ」
「別に呼びやすくていいんじゃねぇの」
「ほら、花宮もポチでいいってさ」
「原さんも花宮さんもひでぇ! 千夏さんが名前付けてあげたらどうッスか?」
「えぇ、拾って来たなら青峰が付けるべきじゃない?」
「あ? ならシロでいいんじゃね? そいつ真っ白だし」
「結局、ペット並の名前になって草」
そして聖女である女の子の名前は、シロになりました。
いや、まぁ…覚えやすいからいいけどね。女の子も嫌がってないし、普通に頷いてたし。
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