有能な生け贄 | ナノ
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04*(4/4)

とりあえず、魔術のリストアップはこんなもんでいいとして。疲れたから寝たい。ていうか、お腹空いた。夕飯も食べてないのにこんな場所に喚び出されるとか、まじでキレそう。



「千夏、少しいいかい?」

「んだよ、今度は氷室かよ」

「少し気になる文章があってね。ここなんだけど、」

「あ? ……うわぁ、まじで? つーか、これが嘘じゃないならわたし達の他に人間がいるって事になるじゃん」

「なになに、なんかあったのー? 室ちん」

「ちょ、千夏さん顔、顔っ! え、そんなヤバい事が書いてあったんスか?」



氷室の指差す部分だけを読むと、そこには "見知らぬ女の子" がいたと記されていた。しかも、真っ白なワンピースに身を包み…まるで天使の様な少女だったとの事。

だが、少女は言葉を発する事が出来ないのか…ただただ、日記の主達の指示に従い…後を付いて回り、最後は日記の主達が生け贄にしてしまったらしい。

…それで助かったのか?
少女を生け贄にした結果、この日記の主達が無事にここから脱出したのかが、わからない。

だけど、



「俺は、彼等は脱出する事は出来ずに死んでると思うんだよね」

「つーか、そんな得体の知れない奴を生け贄にして脱出できると思ってる辺り頭弱い」

「千夏もそう思うかい?」

「生きてる人間を差し出せって条件ならわかるけど、こいつ等がやったのって…化物に女の子を向かわせて無駄死にさせただけじゃん」

「その結果、彼等も化物に殺された。そんな悲しい結末だと俺は、思ったんだけど」

「そのまんまじゃない? こいつ等は、まともに魔導書が読めなかったみたいだし。どうにもならなかったんでしょ」



…うーん。
つまり、女の子はお助けキャラ的なポジションだった訳だよね。それをこの日記の主達が殺したっぽいから…あれ? 詰んでね? 多分、予想だとその女の子が聖女だと思うんだよね。

いや、まぁ…どっちにしろお助けキャラがいるとは思ってなかったから、普通に違う方法で脱出するつもりだったけど。

そもそも、高リスクだけど最悪は空間移動の魔術もあるしね。どうにか、なるだろう…的な感じ?

だけど、なんか…



「千夏は、どう思う?」

「いや、まぁ…多分、あんたと同じ事思ってるよ」

「だけど、マコト達が素直に連れて来るかな?」

「さすがに殺しはしないだろうけど、連れて来るかは怪しい。基本的に真は、信用とかしないから」

「まぁ、そうだよね」

「捨て駒に使えそうって理由で連れて来る可能性はあるけど、相手が女の子ってなるとなぁ…しかも真の嫌いなタイプっぽいし」



多分だけど、またそのお助けキャラの女の子はいそうな気がするんだよね。もちろん、いない可能性もあるけど…普通に考えて、手違いはあれど喚び出されるのが男って限定な時点で、詰むし。

聖女ポジションの女の子は、絶対にいないと困るよね。

まぁ実は、脱出方法なんて最初からねぇよバァカ! 的なクソ仕様の可能性もあるけど。



(えっ…つまり、どういう事ッスか?)
(…黄瀬の頭悪過ぎ問題)
(…わかりやすく説明した方がいいかい?)
(黄瀬ちんだし、しなくていいよ〜)
(今ので理解出来ないのか…不憫だな)
(ぎゃはは! みんなひでぇ!!)
(爆笑してるお前が1番ひでぇけどな)
(ちょ…教えて下さいッス!!)
(お前がクソなのは知ってたけど、やっぱりクズだよな)
(まぁ、キセキはそんなものだろう)
(ちょっと、それ俺も含まれてるし〜)
(いや、キセキは丸ごとクズだから。異論は認めない)
(ぎゃはは! 千夏さん歪みない!)
(? どういう意味だい?)
(氷室はイイコちゃんだよな、バイオレンスだけど)
(うむ、面倒臭いイイコちゃんだな)

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