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それにしても、まともに扱えそうな魔術がこれだけってなると…やっぱりあの化物の相手はしない方がいいなぁ。そもそも、武器もなんもないし。
とりあえず、軽そうな魔術を試してみてから色々と考える感じかなぁ。
「千夏さーん! ちょっといいッスかー?」
「ん? なんかあった?」
「俺等が喚び出された部屋以外に空き部屋があったじゃないッスか。そこでフランス語?のノート見付けたッス」
「ここでもお前は有能かよ。貸してみ」
「はい、お願いしまーす」
「……んー、お?」
「へっ…なんかありました?」
高尾から受け取ったノートに目を通すと、そこにはまさかまさかの内容が記されていた。
とりあえず、康次郎から紙切れを奪い取ってカリカリとその呪文を書き出していく。
なるほどなるほど。
先人がみんながみんな、この人みたいに有能ならこんな苦労はしなかったのに。
ノートには、今まで試した魔術の他に効果や人体への影響などが事細かに記されていた。
「え、まさか当たりッスか?」
「当たりも当たり。マジで高尾有能」
「マジッスか! ご褒美とか貰えます?」
「仕方ねぇな、言うだけ言ってみ」
「1回断られた二度目のデートをリベンジ!」
「なんスかそれ!? なら俺も志波さんとデートしたいッス!!」
「なんでだよ、しね」
えぇ、面倒くせぇなぁ。
何が楽しくて、また高尾とデートしなきゃならんのだ。そもそも、デートってなんだ。高尾にデートデート言われ過ぎて、わたしの中でデートの定義がわからなくなって来ている。
しかも役に立ってねぇ癖になんで黄瀬まで便乗してんだよ、しね。
とりあえず、高尾には考えといてやると答えるとあざーす!と嬉しそうに笑った。つーか、どんだけわたしが好きなんだよ。ドストレートに好きかよ。
そして黄瀬はスルー。
そもそも、わたしはお前が嫌いだからな。それにお前はまず、高尾と同じ土俵に立ってねぇからな。
「で、なにが書いてあったんだ?」
「そーそー、何がわかったの?」
「簡単に言えば、実用性のある魔術の効果や人体への影響について書いてある」
「よし、俺が試しにやってみよう。どれが安全なんだ?」
「ぎゃはは! 古橋さん、どんだけ魔術やりたいんスか!」
「生粋のオカルト好きだから、突っ込むだけ無駄。ていうか、真達に勝手な事はするなって言われてるから我慢しろ」
「…む、確かに。なら、内容だけでも」
「必死かよ」
まぁ、別に簡単な魔術なら大丈夫だろうけど…仮になんかあったら嫌だからね。真の指示に従わなかったからとか言われたりしたら、ムカつくし。
で、相変わらず興味津々でウキウキしている康次郎とそれなりに興味有りそうな高尾と紫原に魔術について説明した。
ちなみに黄瀬は、理解出来ていないみたいだったので放置。お前、まじで顔と身体能力に全振りし過ぎるだろ。
どんだけ頭悪いんだよ。
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