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ふぅん、なるほど?
これならイケるかなぁ。
2冊目の魔導書の書写に目を通しながら、カリカリと適当な紙切れに呪文を書き出して行く。それを不思議そうな顔で紫原と黄瀬が見ているが、無視だ無視。
その隣では、英語で記されている日記を3年生組と帰国子女の2人が読んでいる。
「ねぇねぇ、千夏ちん」
「あ? んだよ」
「これ声に出しただけで、魔術として発動するのー?」
「さぁ? するんじゃん? ま、知らんけど」
「て、適当ッスね…」
「うるせぇな、まともに英語も読めねぇゴミクズカスは黙ってろよ」
「ひ、酷いッス! 少しならわかるッスよ!」
「えぇ? でも黄瀬ちん馬鹿じゃ〜ん」
うーん、ゲームとかで考えたら魔法を使うにはMPとか使うから…魔術を使うにも何かを消費する可能性も考えなきゃだよなぁ。普通に考えたら精神力とか? いやぁ、目に見えない物を消費するとか怖いよなぁ。体力だけならまだマシだけど、精神力とか生命力(寿命)になったら精神崩壊とか下手したら死ぬ可能性もあるし。
まぁ、もちろん必要な物がある関係で術者は何も消費する必要がない場合もあるけどさ。でも間違いなく、何かしらは消費すると思うんだよなぁ。
それに魔術を使えるかどうかの確認もしなきゃなんない訳で、色々と問題が山積みでキレそう。しかも、ラテン語とかドイツ語とかを読める人が限られてるから、解読とかに時間掛かるし。
「千夏、どうだ?」
「どうもこうも、実用性がある魔術が少なくてキレそうだよ」
「どれどれ…可視化、不可視化、防壁?」
「後は、リスクが高そうだから却下。死の呪いとか攻撃魔術っぽいのも色々あるけど、ヤバそう」
「ちなみに千夏的にリスクが低いのはどれだ?」
「え、まぁ…可視化かなぁ? いや、知らんけどね」
暇を持て余した康次郎がわたしが書き出した紙切れに目を通すと、興味津々といった様子でわたしにそんな事を聞いてきたのでゆっくりと顔を上げる。
おい、ばかやめろ。そんなウキウキした顔してんじゃねぇよ。
ていうか、今まで何やってたんだよ。真達が探索に行ってるからって、フラフラしてんじゃねぇぞ。お前も英語は出来るんだから解読班の手伝いしろよ。
ちなみに探索に行ったのは、真達を含めた8人。4人ずつに別れて2組って感じ。もちろん、ラテン語とかドイツ語が読めるのが真と健ちゃんだけだから、あの2人は別れてるよ。まぁ、赤司はフランス語だけだしね。
で、真と弘には赤司と根武谷が、健ちゃんと一哉には今吉さんと青峰って感じ。
なんか根武谷と青峰がなんかやらかしそう。でも、頭は悪くても勘はかなりいいだろうから…まぁ大丈夫かな。
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