03*(3/4)
あの短い距離を走っただけなのにも関わらず、息切れを起こすくらいには衝撃的だった。そしてわたし達の騒がしい声やらなんやらに部屋から出て来る一哉と弘。
お前等は呑気でいいな、クソがよぉ…はぁ、キレそう。
「おかー。って、なにそんな疲れてんの? やっぱりヤバい奴がいた感じ?」
「はぁ…死ぬかと思った」
「あれはまともに戦えないな」
「わたしの勘は正しかった」
「とりあえず、全員を集めろ。かなり重要な話だ」
「おっけー。でも廊下でいいの? 一応、部屋に入っとく?」
「狭いが、俺等の部屋でいい。さっさと呼んで来い」
「おう、わかった」
「じゃ、いってきー」
あぁ…クッソ疲れた。
とりあえず、一哉と弘が他の連中を呼んで来てくれるらしいので、ゆっくりとわたし達が喚ばれた部屋へと向かう。
ちなみにわたしだけ手ぶらならのは、仕方ない。本やら瓶やらは、真と健ちゃんが担当だからね。わたしと康次郎はほら、がさつだからね仕方ないね。
そして部屋に着くなり、本やら瓶やらを調べ出す真と健ちゃんを眺めつつ、わたしは壁に寄り掛かってボーッとしていた。いや、普通に疲れたしね。精神的疲労が半端ない。そもそも、真と健ちゃんに任せとけば大丈夫だろうし。
ちなみに康次郎も真と健ちゃんに混ざって、なんか手伝ってる模様。まさかのウキウキ顔で笑う。このオカルト好きめ。
「あっ、そうだ。ねぇ、真〜」
「あ?」
「中に入らなかったどころか、中も見せてくんなかった部屋あったじゃん。あれなんだったの?」
「察しろよ」
「いや、なんかヤバいのはわかったけどさ。気になるじゃん」
「…八つ裂きにされた複数の男の死体と、拘束された裸体の女の死体」
「………う、うわぁ」
「…違う意味で察した。裸体ってそういう事、でしょ?」
「恐らくな。ここでは、女は録な扱いはされてなさそうだな」
うわぁ…。
ていうか、わたし以外にも女で喚ばれた人とかいたんだ。しかも、拘束されて裸とかなにその拷問。つまりはまぁ…そういう事を強要というか…されていた訳ですね。
え、じゃあなに? わたしもその為に喚ばれたとかそういう? え、なにそれ死んで。いや、まぁ…さすがにわたし相手にそんな事をする奴はいないだろうけど。そもそも、そんな事をしている場合じゃないんだよなぁ。
いやでも…確か、男って生命の危機を感じると子孫を残そうと性欲が高まるとかそんな話なかったっけ? うわ、なにそれ恐ろしい。え、つまり、全くない話ではない可能性。
だが、わたしがそう簡単に拘束とかされる訳がないがな。
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