有能な生け贄 | ナノ
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02*(3/4)

で、結局…様子見に行くメンバーにわたしが入る訳ですが。絶対におかしい。別に行ってもいいとは言ったけど、本当にわたしを連れて行くとかまじで頭おかしいと思う。

わたし、唯一の女子ですよ? 手違いで喚ばれた可哀想な女子なんですよ? そこんとこ、わかってますかね?



「ラテン語がちょっと読めるってだけで、酷い扱いである」

「お前なら無謀に突っ込んでったりしねぇだろ」

「そりゃあそうだけどさぁ」

「結局、また霧崎に頼る形になる訳か」

「不満ならわたしの代わりに行ってくれていいんですけどー」

「いや、不満よりは申し訳なさが上だバカ。後輩に、しかも女を危険な場所に行かせなきゃなんねぇんだからな」



申し訳なさが上と言いつつ、バカ呼ばわりする笠松である。いや、まぁ…別にいいけど。

ていうか、別に文字が読めなくても何か情報になりそうな物を持ち帰ってくればいいだけなのに、わたしを行かせる真が悪い。まぁ、部屋のドアみたいに何か書いてあったりしたら…っていうのもあるから仕方ないんだろうけどさぁ。

とりあえず、最初の探索だから様子見って事で4人だけなんだけど、まぁ普通に霧崎一色で笑う。



「えぇ、暇なんだけどー」

「一哉は英語出来ないからね、仕方ないね」

「いや、出来なくはないし。千夏達がおかしいだけで、普通には出来るから」

「古橋も俺等とどっこいどっこいなのに納得いかねぇんだけどよー」

「康次郎はオカルト好きだから、なんか色々知ってそうじゃん? そんな感じだよ、多分」

「俺等もクトゥルフ神話とかなら知ってるしー! いいじゃん連れてってよー!」

「駄々っ子かよ! しかも知識が偏り過ぎだろ! しかもそれフィクションじゃん!!」



さすがにTRPGで培ったオカルト知識とか偏り過ぎててヤバいから、役に立たなそう。むしろ、混乱しそうだからやめて欲しいです。そして、とりあえずなんでもゲームに例えるのをやめろ。前の時もホラゲーかよォ!とか言ってたけどさ。

とりあえず、康次郎は色々とオカルト雑誌持ってるし。ていうか、下手したら康次郎が黒幕説? 前に真剣な顔(無表情)で " 黒魔術は誰にでも使えるんだろうか? " とか言ってたし。

で、あとはラテン語・フランス語・ドイツ語が読めるわたしと真と健ちゃん。なんか戦闘面がかなり不安だけど、今回は戦わずに逃げるのが基本なので問題はない…はず。

尚、健ちゃんと康次郎の危機察知能力が低いのが怖いけど。勘だけなら、一哉とか弘の方がその辺は鋭いし。

ちなみに赤司もフランス語は、軽く読めるみたいだけど今回は待機して貰うって事で。フランス語のノートもあるしね。



「ただの様子見だ。すぐに戻って来るから大人しくしてろよ」

「一哉と弘を制御出来る輩がいない不具合」

「あ? 今吉さんがいるだろ」

「あ、確かに。あれは逆らえない」

「花宮と千夏は、ワシをなんだと思っとるん?」

「「えっ、妖怪」」

「…ははっ、帰って来たら覚えとれよ」



とりあえず、一哉と弘は今吉さんに任せれば大丈夫だろう。きっと、一哉と弘も今吉さんと話せばすぐに今吉さんの恐さがわかるはずだし。

そして、ブーブーと未だに文句を言っている一哉と弘を無視して、ゆっくりと慎重に階段を上っていった。


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