有能な生け贄 | ナノ
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02*(2/4)

簡単にまとめると、ここから出るというか…脱出するには、時間経過で召喚される化物を倒しつつ、黒幕を殺すなりなんなりしないといけない訳で。

だけど、黒幕はこの館にはいないとなると…



「魔術で喚び出されたんなら、魔術で帰れる可能性もある説」

「そもそも使えんの?」

「そんなん知るか。だけど、化物と戦うとか無謀ってレベルの話じゃないし。そもそも、魔術で召喚される化物なんてろくでもないでしょ」

「前のゾンビとかと同じ感じなんじゃねぇの?」

「正直、見てないけど絶対に違う。仮にゾンビみたいな見た目だとしても、あの時とは状況も違うし。そもそも、ここが現実っぽい時点で無茶したらヤバい」



やっぱりというか、案の定というか…前の事があったせいで、まだ楽観視してる連中が多い。まぁ、確かに…前の時もかなり酷かったし。そもそも、初めてあんなよくわからない事に巻き込まれた訳だし、取り乱して当たり前だったんだけどさ。

今回の場合は、ちょっとというか…かなり話が違って来る。多分、まともにやり合ったら死ぬという可能性が非常に高い。そもそも、魔導書を使う奴がまともな訳もないし。魔導書で召喚される化物がゾンビ程度な訳がない。

前にちょっと気になって、色々と魔導書の類いは調べたからある程度は知ってるけど…ネクロマンサーズはなぁ。鬼神学と降霊術が主なんだよなぁ。だから、召喚される化物と何に向けての生け贄なのかがヤバ過ぎて恐ろしい。



「そもそも、魔導書は普通の人間が扱えるものなのかい?」

「さぁ? でもこんだけ人数がいれば1人くらい扱えるんじゃない? 知らんけど」

「だが、ネクロマンサーズは普通の魔導書じゃねぇだろ。まともな魔術なんて載ってねぇよ」

「ていうか、魔導書の時点でまともな訳がないし。でも、まぁ…探さなきゃ死ぬしかないんだよなぁ」

「え? なんなん? ワシの後輩が暗黒面に堕ち過ぎてて悲しいやら恐いやらで、複雑なんやけど。なんでそない詳しいん?」

「ただの興味本意です」
「苦しめるなら呪いかなと」

「やっぱり、花宮と千夏はやべぇ奴だった」



まぁ、ほら…ちょっと荒んでた時期に魔が差しただけだから。めっちゃ調べたけど何もしてないから、まだ何もやらかしてないから、だからセーフだから。

尚、真に関してはまじで興味本意だから怖いよね。知識として頭に入れときたいから的なノリで、魔導書とか調べるとかまじでやべぇ奴。

とりあえず、こっからどうするかだよなぁ。さすがにこのまま地下にいる訳にもいかないし。だけど、わたしは行きたくない。もちろん、死にたくないからである。

でも行かなきゃならんよなぁ。

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