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目を覚ましたら、隣にいる筈のバカの姿がなく飛び起きた。部屋を見渡しても何処にも姿がなく、頭を抱えながら部屋から出た。
あのバカが起きた事に気付かなかった自分にも腹が立つが、何も言わずに居なくなるあのバカは本当にいっぺん死ねばいい。
「あっ、花宮さんも起きたんですね」
「……あのバカはどうした」
「どうやら、魔法石を探しに行ったみたいで…」
「高尾と青峰、今吉さんと一緒に行ったのだよ」
「他の連中は」
「霧崎の方は、まだ花宮さん以外は起きて来てないです。他の方達も大半はまだ寝ているかと…」
チッ、あのクソ女の事だからそうだろうとは思ったが…健太郎達まで起きてないとは思わなかった。むしろ、原辺りが1番に気付いて探索について行ってると思ってたが…俺が思っていた以上にあいつ等も疲弊してたって事か。
そもそも、その疲弊の原因があのクソ女なのが更に質がわりぃ。本当にあいつは、変なところで俺等よりも体力あるのなんなんだよ。
そして何故か赤司が申し訳なさそうな顔をしているが、元よりお前等には期待してねぇって言ってんだろ。それにあの妖怪が一緒なら、まぁ…最悪な事態にはならねぇだろ。アレでも、昔はあのバカのストッパーだったからな。
(尚、そのストッパーは振り回され過ぎて故障している模様。もはや、ストッパーが突っ走ってる始末である。)
「シロの話によれば、特に4人に異変はないとの事で…何かあればすぐにわかるから大丈夫と」
「……はぁ、寝る」
「えっ!」
「どうせ、他のヤツは追って探索には来んなってあのクソ女に言われてんだろ。だったら、此処で無駄に時間使うくらいなら寝る」
「…へぇ、やっぱりキミって面白いね。ちょっとキミにも興味が湧いてきた」
「勝手に湧いてろ」
「ねぇねぇ、体力は僕が回復してあげるから寝ないで僕とお話ししようよ」
「断る」
「えぇ〜キミが気になってる事も疑問に思ってる事も全部答えるよ? どう?」
ニコニコと腹立たしい笑みを浮かべるシロに舌打ちをし、勝手にしろと吐き捨てると俺の後を付いて来る。
…こんな面倒くせぇヤツに好かれてれてんじゃねぇよ、あのバカ女。
間違いなく、コイツは俺には興味はない。俺を通して、千夏を見て愉しんでるだけだ。簡単に言えば、俺と千夏の関係性に興味があるだけで、俺自身にはこれっぽっちも興味がねぇ。
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