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とりあえず、魔法石がありそうな1階のシロがいた部屋に来た。本当なら端から順に探索したいところだけど、早いところ儀式がしたいからね。
それに2階にも行きたい。
結局、まだ魔法石は2つしか見付かってないからね。しかも、わたしが3階で見付けたヤツと1番ヤバい部屋からシロが取って来てくれたヤツだけだからね。
マジでちんたらしてやがる。
ていうか、魔法石がありそうな部屋をちゃっちゃと探して、なかったらしらみ潰しが1番早かったよね。
マージでなにしてんだ、わたし達。
「で、此処にシロがいたんだっけ?」
「おう。なんか変な音ががして、本棚動かしたらいた。ほら、此処だ」
「うわっ、マジで動いた!」
「青峰はそこに立ってて、ちょっと中見てくる」
「あっ、なら俺も一緒に入りますね。青峰と今吉さんは、本棚が動かない様にお願いします」
ふぅん…シロは、此処にいたんだ。別に狭くはないけど、広くもない。本当に本棚の裏に謎の空間があるみたいな感じだ。
…2畳くらいかな?
コンクリートの打ちっぱなしで本当に何もない。
そして懐中電灯とか便利な物はないので、仕方なくペタペタと壁を触ったりしながら隅々まで調べる。部屋の灯りだけじゃ、影になって全然見えないからね。
が、何もない。
えぇ…まさかのハズレかよ。普通に考えて、シロがいるだけの部屋だったのかなぁ。
「…んー? あっ、千夏さん! アレ、魔法石じゃないッスか!?」
「あ? って、天井かよ。青峰、アレに手届く?」
「あー…微妙。おい、高尾お前こっちで本棚押さえてろ」
「ん、おっけー」
「って、何わたしの断りもなく持ち上げてんだ」
「俺には本当に魔法石かわかんねぇし、アンタがよく見た方がいいだろ。取ったらやべぇヤツかもしんねぇし」
「えっ…あの青峰がなんか頭良さげな事言ってやがっ」
「って、今吉サンが言ってた」
「だよな、知ってた」
うん、なんでも勘でどうにかしようとする青峰がそんな事を考える訳ないよな。
そして屈辱的だが、青峰に高い高いの様に持ち上げて貰って天井に張り付いてる? 嵌まってる? 魔法石を見つめる。
…んんー、暗くて正確な色はわからないけど…多分、緑っぽいかな。確か、緑の魔法石はダイオプサイドだっけ?
とりあえず、野生の勘を持つ青峰が嫌な感じはしないって言うので、天井から魔法石を取って素早く部屋から出た。
「ホンマ、なんも起こらなくてよかったわ〜」
「とりあえず、儀式に使う魔法石が見付かってよかったわ。で、次は2階な」
「1回戻らなくて大丈夫なんスか? まぁ、俺は全然余裕ッスけど」
「大して時間掛かってないし、行ける内にさっさと行きたいんだよ」
「まぁ、俺は別に構わねぇけど。特になんもしてねぇし」
「千夏を1人で行かせる訳にもいかんし、最後までキッチリ付き合ったるわ」
そして、嫌がらず2階についてくる3人である。ていうか、今吉さん辺りは1回戻った方がいいとか言うかと思ったのに、意外だ。
ちなみに手に入れた魔法石は、今吉さんに預けといた。ホラ、どうせ色々と動き回ったりするのはわたしだろうし、無くしたらマジでヤバいからね。
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