35*(4/4)
で、なんか瀬戸的にはシロがどうのこうのってよりは更にその先にいる黒幕が気になるらしい。
そもそも、シロ程の悪魔を使役してたヤツがそう簡単に俺等を逃がすかって話だよね。勿論、千夏がシロの封印を解かない様に色々と仕掛けはしてあったみたいだけどさ。
それにシロの封印が解けた事でシロを操れなくなったのは、わかってるだろうし。更に変な刺客を送って来そうな気もするよね。
ていうか、黒幕からしたら中継役がいなくなった訳だし。
……えっ、つまりそれって…うわぁ。
「…シロみてぇなヤツが現れる可能性があるって事?」
「なくはないよねって話」
「いやいやいや…だったら、寝てる場合じゃなくね? つーか、シロが魔法陣は全部消したっつってたじゃん」
「俺等が此処に来た時を思い出してみなよ。体育館に魔法陣なんてなかったのに、一瞬で此処に飛ばされたでしょ」
「…あー、確かに。じゃあ儀式なんかしたって意味なくね?」
「だから、俺と花宮は根本から潰そうと思って残るって言ったんだよ。勿論、千夏を1人にするのも嫌だけど、それとは別に黒幕をどうにかしたいんだよね」
確か、シロが黒幕は殺すとか言ってた気がするけど…それはシロが勝手にしようとしてる訳で、俺等が知らないところで殺られても信用ならないって事ね。
黒幕を殺すなら殺すで、ちゃんと自分達で確認しないと安心出来ないだろって事らしい。
いや、うん、確かにそれはそう。今回、儀式で脱出は出来たとしても…また新しく喚ばれたら意味ねぇもんな。つーか、逆に脱出をした事で俺等の中に最高の器がいるって言ってる様なもんだし。
まぁ、花宮か瀬戸になるだろうけど。
「つーか、それなら俺が黒幕なら儀式をされる前に邪魔するわ」
「でしょ。だからまだ全然安全じゃないし、むしろ下手に俺等だけで探索する方が危険だと思うんだよね。急に悪魔が飛ばされて来たりしたら、俺等なんて秒で殺されるだろうし」
「なんか千夏が無駄に警戒してたのも、そういう事ね」
「実際、俺と花宮は見えない呪いにも掛かってるし。千夏は、爆発するし。常に最悪の状況を考えて動かなきゃ、一瞬で何もかも終わる様な世界だからね」
…ほーん、なるほどね。
確かに、俺やザキが楽観的とまでは言わないけど…色々と気が緩んでたかもなぁ。なんか、シロは信用ならねぇし気に食わねぇけど、シロがいれば大丈夫だとか軽く考えてたし。
そもそも、儀式して脱出して終わりって考えが既に間違ってた訳ね。
ていうか、そうなって来ると黒幕をどうにかしたいって言う割にはシロは千夏から離れないのも変な気するわ。今の千夏は、別にシロが傍にいないといけない訳じゃねぇし。
むしろ、ちゃちゃっと黒幕をぶっ殺してくればいいじゃんって感じじゃね?
………。
「もしかしてさぁ…シロのヤツ、まだ千夏になんかさせようとしてね?」
「よく気付いたね」
「いや、今の状況で黒幕をぶっ殺しに行ってねぇのが変だし。いくら、千夏と約束したって言っても黒幕を殺したら済む話じゃねぇの?」
「詳しくは俺もわかんないけど、死後強まる呪いとかあるからじゃないかな? そもそもシロは黒幕に用があるから、まだ殺せないんじゃないかなって思ってる」
うわぁ…だるっ。
ゴール前に大量のデストラップがあるみてぇな状況じゃん。
尚、ゴール後(儀式後)もデストラップまみれな模様。
(瀬戸が気張ってる理由はわかったから、寝てくんね?)
(急になに?)
(今の状況で瀬戸と花宮が動けなくなんのが1番不味いから休めって事)
(原がそんな事言うなんて珍しいね)
(いいから寝ろって。俺が起きてるから)
(わかったよ)
(つーか、俺等が役に立たねぇなら役に立つ様に使えって話)
(へぇ、言うじゃん)
(ムカつくけど、マジでなんもしてねぇもん)
※実は、裏でも瀬戸と花宮は頑張ってました。
prev / next