有能な生け贄 | ナノ
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元はといえば、わたしが黙って色々したのが悪いっていえば悪いしね。そもそも、わたし以外の誰かがそんな事したらわたしだってキレるし。

つまり、弘は間違ってはない訳だよ。



「…で、お前は? 千夏になんか言いたい事あんじゃねぇの?」

「べっつにー」

「こいつのは、いつものただわたしが気に食わないだけでしょ」

「うわ、うざっ」

「それお前な」

「は? マジムカつくんですけどー。つーか、今更俺等のご機嫌取りとかなんなの? ずっとシロと一緒にいればいいじゃん」



……んー、あーね。
ふぅん、なるほどなるほど?
つまり、わたしがシロとやたら一緒にいたのが気に食わなかったと?

うん! いつもの一哉だな。
相変わらず、面倒くせぇ彼女みてぇな独占欲だぜ。こいつ、どんだけわたしが好きなんだよ。つーか、状況的に仕方ない事なのにマジでどんだけだよ。

ていうか、さっきの弘の後ってのもあるし、そもそも一哉が勝手にヤキモチ妬いてるだけでわたし悪くなくね? いや、確かにシロとはかなり一緒に居たけどさ。



「……いつもの原だな」

「だよね」

「はぁ? 俺は、最高に気分悪いんですけど?」

「はいはい、シロとわたしが仲良くて寂しかったんでちゅねぇ〜。一哉くん、千夏ちゃんの事が大好きだもんねぇ〜」

「は? うざ、きも、しね」

「チッ…マジでクソムカつくけど、まぁ今回は許してやろう。ずっと放って置いて悪かったって」

「…うっっっっざ!!!!」



まぁまぁまぁ、ね。
ていうか、なんだかんだでいつもは一哉と一緒にいる時間が1番長いからね。まぁ、正確には一哉に付き纏われてるだけだけど。

ましてや、前回の意味わからんクローン事件の時はほぼセットみたいな扱いされてたからね。なのに、今回はマジで全然一緒にいないし。ていうか、役に立ってないからね仕方ないね。

そもそも、今回に関しては無茶出来ないのもそうだけど、わたしとシロだけで動いた方が安全だったからね、本当に仕方ないね。



「まぁ、なんて言うか一哉がラテン語を読めないのが悪い」

「いや、ラテン語が読める花宮と瀬戸とも全然行動してなかったけどな…」

「それは、確かにたかし」

「は? 帰れよ」

「あぁん!? 帰れるならとっくに帰ってるわ!!」

「それは、確かにたかし」

「仲良しじゃねぇか!!!」



まぁ、結局はいつもの感じに戻る訳で…なんていうか、このノリすら懐かしく感じるくらいにはピリピリしてたんだなぁ…と思いました。

今回は、色々と複雑だし時間も余裕もなんもかんもなかったからね、仕方ないよね!


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