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うわぁ…まじで面倒臭い。
一哉がノックした部屋には陽泉がいて、ドアを開けて出て来たのは桐皇と洛山でした。もう確定で前と同じ感じで、バスケ部がいるじゃん。まぁ、何人かいないけど。
で、とりあえず陽泉の方は一哉達に任せた。なんかあれば持って来い的な。
「まーた、変な事になっとるなぁ。で、霧崎は千夏もおるんやな」
「手違いです。とばっちりです。キレそうです」
「えーと、色々と聞きたい事はあるんですが…こちらの本を読める方はいますか? 多分、ラテン語だとは思うんですが…」
「それがわかるだけで有能。貸してみ」
「まぁ! 千夏ちゃん、ラテン語なんて読めるの!? 凄いじゃなぁい!!」
「黙ってろオカマ」
「オカマじゃないわよ!!」
赤司が持っていた本を受け取り、表紙から見るが…タイトルは特になし。ノートじゃない辺り、魔導書の原本とかないよね? そんな恐ろしいもん読みたくないんだけど。なんか呪われそうだし。
だが、しかし…中身を見なきゃなんも始まらないので渋々と本を開く。あ、見た目は本だけど中身はノートじゃん。
そして軽く目を通していき、パタンと本を閉じる。
うん、これは酷い。普通に死ぬ未来しか見えねぇや。絶望しかねぇなぁ、これは。
「なんて書いてあったんですか?」
「端的に言うと、わたし達は高確率で死ぬかなー」
「…!?」
「まぁ、上手くすれば生きて戻れる可能性もあるけど。相手が未知数過ぎて、正直どうにもならないですね」
「どういう事や?」
「簡単に言えば、わたし達は生け贄なんですね。で、時間経過でなんか化物が召喚されるらしくて、そんな状況の中で最後に残った1人が最高の器みたいな?」
内容は簡単の様に書かれているが、普通に考えたら無理。前の時みたいに夢というか、精神世界じゃないみたいだし。
多分、まともな武器もなければ食糧もない。そんな状態で、得たいの知れない化物を召喚されるとか無理ゲー過ぎて、絶望でしかない。
一応、この地下には来ないみたいだけど…1階には普通に化物がいるみたいだし。しかも、この地下にはわたし達が召喚された魔法陣以外は本当になにもないっぽいし。
つまり、化物を倒すにしろスルーするにしろ、情報を手に入れるには上に行かなきゃならない訳で。結局は、かなり危険な場所に行かなきゃならないんだけど。
「生け、贄…ですか?」
「わたし達の部屋にあった日記みたいなノートに書いてあった。不老不死の魔術の生け贄として喚び出したって。そのノートは魔導書の書写で簡単なメモみたいなのも書いてあった感じ」
「なんでワシ等なんやろうか」
「 "強靭な肉体と精神力を持つ男性" が狙いだったらしいですよ」
「男、せい…やと?」
「ははっ、今吉さん殴りますよ」
わかってんだよ、ふざけやがって。わたしだって、こんなヤバいところに喚び出されたくなかったわ。そもそも、女だし。
まじで喚び出したやつ許さねぇからな。
(とりあえず、人数の確認をしましょう)
(せやな。うちには桃井と諏佐おらんし)
(なんで桃井はいないのにわたしはいるんだろう)
(強靭な肉体と精神力、持っとるやん?)
(それ以前に女なんですよ!!)
(まぁまぁ、私もいるんだし)
(オカマは黙ってろよ、まじで)
(相変わらず元気だなぁ、お前は!)
(うるせぇな、消えろ筋肉)
(筋肉が消えたら困るだろ!)
(勝手に困ってろ、しね!)
(ねぇねぇ、千夏ー。これなんて書いてあんのー?)
(うるせぇな! "地下は安全"って事だよ、クソやろう)
(ははっ、荒れとんなぁ)
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