有能な生け贄 | ナノ
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あぁ、クソ。まさにクソ。

なんか普通に千夏とシロが戻って来たんだけど、魔法石を持ち帰って来ないっていうね。お前等、何しに行ったの? いや、多分だけど30分もしないで戻って来たから変だとは思ったけど、マジで何しに行ったの?

ぶらり散歩気分かよ。



「じゃあシロ、よろしく」

「うん、わかった」

「ん、何をするんや?」

「いやぁ、なんか不満そうな奴等が多いからちゃっちゃとシロにみんなの精神力を回復して貰おうと思って」

「それで戻って来たん?」

「まぁそんな感じです。で、シロにはちょっと休んでて貰おうかな〜みたいな」



…うーわ、うっざ。
ていうか、わかってるなら最初からそうしろよって話だよね。いや、まぁ…どうせ千夏のただの思い付きだろうけど。

そもそも、本当にそんな理由で戻って来たのかも怪しいし。シロを休ませたいとか、マジで意味わかんねぇし。つーか、封印が解けて自由なんだから休ませる必要ねぇんじゃねぇの?

しかも、さっきまでは千夏と一緒にどうしても行きたいって感じだったはずなのに、なんであっさり休む事を承諾してんのかもわからないし。

…まーた、変な約束してたりすんじゃねぇの? マジで今回の千夏は信用ならねぇっつーか、なにしでかすかわかんねぇからウザい。



「で、探索に行きたい人はまぁ適当に行く感じで。まぁ、まだ色々と不安ならシロが一緒に来てくれるみたいだし、一緒に来てくれって頼めばいい」

「志波さんは、どうするんですか? 流石に志波さんも休んだ方がいいのでは?」

「いや、1番ピンピンしてるのがわたしなんだが? まぁ、お前等が行くなって言うなら大人しく待っててやってもいいけどな」

「え、どないしたん? どっか調子悪いんか? 千夏が俺等の意見を素直に受け入れるとか絶対におかしいやん」

「え、ぶっ飛ばされたいんですか?」



いや、今吉さんの気持ちはよくわかるよ、うん。

ていうか、マジでなんかあった? いつもの千夏なら絶対に俺等の意見なんか聞かずに探索に行くはずなのに。

…うわぁ、なーんか嫌な予感するんだけど。え、もしかしてシロに操られてるとかないよね。いや、だったら俺等を回復させたりしないか。

ん、いや…逆に俺等の信用を得る為にわざとやってる可能性もあるよね。

…マージで面倒臭いじゃん。そもそも、今の千夏は普通に信用出来ないからあんまり真に受けたくないしなぁ。

だけど、花宮は特に変わった様子もないし…俺の考え過ぎなんかなぁ。


※コソコソ話中
(…ホンマにどないしたん?)
(いや、実はシロに言われてなんですよ…)
(シロに? なんて?)
(…人間達が怒ってるから仲直りしたらって)
(ぶふっ…な、なるほどなぁ)
(正直、わたしはどうでもいいんですけどね)
(悪魔にまで気遣われとるやん)
(何故か人間より人間らしい)
(自覚あるんやったら少しは見習ってや)
※ただただ優しいシロでした


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