有能な生け贄 | ナノ
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で、千夏の呪いを解くって話になったんだけど。



「いや、多ければいいって話じゃなくね? まぁ、別に自己責任だしいいけど」

「…志波には、前回の借りがあるからな」

「とは言うものの、どっちにしろ千夏にしか儀式が出来ないから、此処から生きて脱出したいなら協力せざるを得ないだけだろうがな」

「古橋の容赦ないド正論パンチ」

「いいから、さっさとやるぞ。何人かが間違えたところで、そいつ等が頭数に入らねぇだけだからな」



何度も花宮と瀬戸から説明されたし、何回も頭の中で復唱したから俺はバッチリだけどね。

まぁ、誠凜の奴等は参加してる振りとかしそうな気もするけど、別でどうでもいいよね。つーか、最低でも俺等5人はちゃんとやる訳だし。

シロはどうなるかわからないとか言ってたけど、死にはないっしょ…多分。

そもそも、古橋が言うように千夏が居なきゃ儀式が出来ずに此処で死ぬしかないしね。だったら、多少危険でも千夏の呪いを解く方に賭けるよね。

正直、シロがパパッと俺等全員を脱出させられればいいんだけど、それは無理だから仕方ないね。そもそも、シロが俺等を助ける訳ないけど。

ちなみに俺等が死に掛けたりしたら、シロが一応は助けてくれるらしいけど本当かどうかは知らん。

で、花宮の合図で全員が千夏の腹に乗ってるルーン文字が描かれた紙に指を置きながら、呪文を唱えた。

▼△▼△▼

気分は頗る悪いし、視界は若干霞むくらいには精神力を使ったらしい。

ていうか、普通に何人かぶっ倒れてるからね。なんかシロがやってるのが見えるけど、ちょっと突っ込む余裕がないから黙ってる。

で、肝心の千夏だけど一応は体にあった呪文は消えたっぽい。まぁ、だからって呪いが解けたのかは知らんしわからんけど。

で、今にも倒れそうなくらいめっちゃ顔色悪い花宮が千夏の体を小さく揺するとゆっくりと千夏の目が開いた。



「……っ、へ? え、何事? は? 何があったの?」

「…っ、うっせぇバァカ」

「は? っ、ぐえっ! おもっ! ちょ、真! なにっ、ぐはぁ! いたっ、ちょ、健ちゃんまで!?」

「はぁっ…、本当に、ばかっ…」

「え、いや、なんで死にそうになってんの!? つーか、顔色わるっ!!」



なんかよくわからないけど、千夏は無事に意識を取り戻したらしい。ていうか、花宮と瀬戸が死にそうな勢いで疲弊してるっぽくて千夏を潰す勢いで覆い被さってる。

いや、確かに何人かがぶっ倒れるくらいにはヤバかったけど…そいつ等は、元から精神力が低そうな奴等だし花宮と瀬戸がそこまで疲弊すんのはおかしくね? いや、花宮はまだ体調悪いからまだわかるけどさ。

なんて、痛む頭を押さえながら考えてた。



(ど、どうした!? 何があった!?)
(…何があったのはテメェだバァカ)
(意味がわからんし! 重い!!)
(…どっか変なところとかない?)
(いや、ないけどさ!とりあえず、退いてくんない?)
(……はぁ)
(……あぁ、頭痛い)
(いや、意味がわからんのだが!?)
(…おねぇちゃん大丈夫?)
(シ、シロ! この2人をどうにかして!)
(うん。今、治すから待ってて)
※あっさり復活しました!

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