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…で、心配する必要がないくらいすぐにシロが戻って来てなんか悔しいです。
葉山達が大袈裟に話すからマジでやべぇんじゃねぇかって思ったけど、単純に葉山達が邪魔でまともに戦えなかっただけらしい。
何こいつ、マジでチートじゃん。
「とりあえず、召喚の魔法陣は破壊したよ。それと各部屋にあった危険な魔法陣も全部無効化して来たから、君達も歩き回れるよ」
「で、次はどうすんだよ。儀式の準備をしたところで、千夏をどうにかしなきゃ意味ねぇんだろ」
「…その魔導書を読んだんでしょ? ならわかるよね?」
「あぁ、読んだぜ? こいつの呪いが人間にしか解除出来ねぇってのは本当だったみてぇだな」
「………」
「だけどこれ、解除した人間は死ぬよね? シロは、お前等は死んでもいいから千夏の呪いを解けって言いたいんだよね」
…はっ!? またそんなのな訳?
つーか、どんだけ身代わりが必要なんだよ。いや、普通に考えて間違いなく誰かは助からない様にしてるんだろうけどさ。
だけど、シロが否定しないって事はつまりそういう事で…千夏の為に誰か犠牲になれよって事ね。
つーか、そんな事したら千夏にキレられるんじゃねぇの? そもそも、千夏が嫌がる事や悲しむ事はしないんじゃなかった訳? 千夏は、誰も死なせたくないって言ってた筈なんだが?
「なぁ、それって1人でやった場合だろ? なら、2人とか…3人とかでやればどうにかなんねぇのか? シロのは、千夏しか無理だったけど…千夏のは "人間" って指定なんだろ?」
「アレ? ザキ天才じゃね?」
「確かに、おねぇちゃんの呪いに関しては複数人での解除は可能だけど…死なない保証はないし、解除した側がどうなるか僕にもわからない」
「代償が命なら、複数人の場合は寿命が縮むとかじゃね? 知らんけど」
「命というモノに価値があるから、寿命を集めてそれを命ってするのは少し違うんだよ。例えば、明日死ぬっていう人間の命と健康な人間の寿命30年のどっちに価値があるかってなると、明日死ぬとしても命の方が全然価値があるから」
あー…なるほど?
そう言えば、千夏が1発でシロの呪いを解かなかったのも命が代償だからって話だったよね。で、何回も死ぬギリギリの精神力で解除しようとしてた訳だし…んー、でも死なない可能性の方が高くね?
ましてや、シロの呪いとは違って条件が人間ってだけなら全員参加出来る訳だし。
つーか、シロに解除が出来ないなら俺等がやるしかないんだし。今更、グダグダ考えたって無駄じゃね? やるだけやって、ダメならそれまでっしょ。
そもそも、最初からクライマックスだった訳だし。
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