有能な生け贄 | ナノ
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渋々(無理矢理)、部屋から出る事になった訳だけど…装備が貧弱過ぎて草ァア!

なんだよ、ハサミとカッターって。ただの文具じゃねぇか! もっとマシな物はないのかよ。まぁ、バッグに入ってる物なんてたかが知れてるんだけどさ。尚、ハサミはある意味最強武器ではある(※前回、ゾンビ相手に使った模様)。

そして真を先頭に部屋からゆっくりと出ると、まさに地下って感じの石煉瓦で出来た廊下に出ました。もはや、牢獄かな? 某ソシャゲの彼氏面さんがクハハハハ! とか言って出て来そう。で、わたし達がいた部屋を除いて…ドアが7個有りますねぇ。嫌な予感しかしませんねぇ。



「なんか、普通に声が聞こえて草」

「まぁ、予想はしてたよね」

「いやいや! またかよ!!」

「とりあえず、こっから開けるか。一応、攻撃される可能性も考えて構えとけ」

「尚、ハサミとカッターの模様」
「弱そう(確信)」
「弱いんだよなぁ…」

「お前等は黙ってろ」



真に怒られて、仕方なく康次郎と弘と一緒に周りの警戒をする。部屋の方は、真達に任せようそうしよう。

とりあえず、ドアは7個あるけど…パッと見だと特に変わった様子もない。壁も別に魔法陣とか呪文とか描かれてない。床も特には、変わった様子もない。

で、突き当たりには上り階段があるっぽいのでここが最下層っぽいので、やっぱりここが地下だろうな。

そんな事を考えていると、ドアというか…部屋の方が騒がしくて、嫌な予感を感じつつ振り向くと…そこには見知った顔がいた。



「…霧崎かよ。しかも堂々と出歩いてんじゃねぇ!」

「うわぁ…やっかましい。ねぇ花宮、違う部屋に行こうよー」

「中調べたらな」

「えぇ…俺、ラテン語読めないし」

「なら外に出てろ、喧嘩になっても面倒くせぇ」

「霧崎って事は、志波さんいるんスか!?」

「うるせぇ出て来んな、しね」



まさかの笠松。つまり、海常の連中がこの部屋にはいた様ですねぇ。だけど、パッと見だと人数が少ない気がする。なんでだ?

そんな事を考えながら、こっちに走って来た黄瀬を避けつつ更に周りを見渡す。

んー、となると…他の部屋にもバスケ部がいると予想。というか、この流れでいなかったら笑う。まぁ、わたし的にはいなくていいんだけどさ。人数多いと面倒臭いし。



「おい、千夏。隣の部屋に行って来い」

「え、やだ」

「黙って行け。てめぇ、ラテン語読めるだろ」

「まじクソ。なら、健ちゃんくれよ」

「原と古橋とザキ付けてやるよ」

「要らねぇんだよなぁ、キレそう」



そいつ等、ラテン語読めねぇじゃん。使えねぇじゃん、しねよ。ていうか、わたしだってそんなにスラスラ読めないんですけど? バカなんですかね?

だが、既に隣の部屋に " ノックしてもしもーし " とかふざけた事をぬかしながら扉をノックしている一哉に本当にクソだと思った。

そしてそのタイミングで一哉がノックしたドアではない2つのドアが急に開くのであった。間違いなく、一哉がうるさいからだ。まじでふざけんな。


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