有能な生け贄 | ナノ
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へぇ…なるほどな。
確かに、色々と危ない部分もあったが…ここまで、なんだかんだで上手く行き過ぎてるってのは感じてはいたが…ここでそう来るか。



「詳しい理由まではわからないんですが…シロが言うには、契約の呪いに更に負荷を掛けられたと言っていました。その反動で1度、シロは最初の姿…幼女の格好に戻ってしまって、」

「しかもタイミング良くあの部屋に入ったらだろ?」

「…はい。咄嗟にシロは、俺等に向かって何か魔術を掛けてくれたんですが…その時に既に魔力が切れたのか封じられたのか、シロは反撃する事もなく俺等が部屋を出るまで、ただただ避ける事もせず化け物の攻撃を受け続け、俺等の盾になってくれてました」



…呪いに負荷を掛けられた?
となると、俺等を此処へ連れて来た奴がシロの封印が解かれ掛けてるって事に気付いた可能性があるって事か。

それとも、あの部屋にシロが入ると何か不味い事があるのか? 確か、毎回あの部屋に入ると死んでるって言ってたはずだ。

…しかも幼女化する程に強制的に弱体化させられるって事は、予めシロが動ける様になる可能性を考えての事だろう。

だが、そうなると完全に封印が解かれていた場合…意味がないんじゃねぇのか? 今のシロは、まだ完全に封印が解かれていないせいで負荷を掛けられたはずだ。

…チッ、直接シロに聞いた方が早いか。



「で、葉山と木吉は? 生きてんの? 死んでんの?」

「2人は無傷で無事です。ただ、シロが今の状態だと全員は守れないと言ったので…2人は安全な部屋で待っててもらっています。実際、俺と2人で地下に戻ろうと部屋を出た瞬間に化け物に襲われて…腕はその時にシロがわざと化け物に喰わせたというか…」

「いや、流石に捨て身過ぎじゃね? 正直、あいつがそこまでする理由なくね? ましてや、普通に死に掛けてんじゃん」

「単純な話、そこまで千夏さんに執着してるって事なんじゃないんスか? 今の千夏さんでいて欲しいから、俺等を見殺しに出来ないんじゃないですかね」

「千夏が塞ぎ込んだり、病んだりしない様にって事ね。花宮を助けたのも、そんな感じの理由だったし」



正直、シロが俺等を命掛けで守る理由はないが…千夏が関わってるとなると、話は別って事か。多少は、理解していたが…流石にここまでするとは思ってなかった。

まぁ、それ程までにシロが千夏に執着してるって事なんだろうが…正直、どちらにしろ良い状態じゃねぇ。

それに、あいつは口約束とはいえ…2回目の人生をシロと一緒に過ごすとか言ってんだから更に質がわりぃ。


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