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そして魔導書はスラスラ読める真と健ちゃんに任せた訳なんだけど、本物ではなく書写らしい。いや、まぁ…確かにただのノートに見えるしね。
それより内容にわたしは大変遺憾である。
「ぶはははっ!!」
「ぎゃははは!!」
「うるせぇんだよ! ふざけんな!! とばっちりじゃねぇか!!」
「ちゃんと強靭な肉体と精神力を持つ " 男性 " ってあるんだけどね。なんでだろうね?」
「実は、千夏は男だった?」
「ふはっ、これで男って扱いなら救いようがねぇな」
「うるせぇ、しね!!」
「まぁ、男ではないけど千夏も強靭な肉体と精神力はあるから、仕方ないんじゃない?」
「クソ程嬉しくないフォローありがとう」
とりあえず、ここに召喚(?)、移動(?)させられたのは " 強靭な肉体と精神力を持つ男性 " らしいです。まじでふざけんなよ、許さねぇからな。
そしてその男性達を不老不死の魔術の生け贄に使うとかなんとか…まぁ、そんな感じ? いや、まじでわたし関係ねぇ。
で、わたし達をここに喚び出した人物はどうやらこの館にはいないらしい。というのも、この館内で1人になるまで殺し合い(?)をして、死んだ者は生け贄に生き残った1人は不老不死の器にするらしく、わたし達の中の誰かが最後の1人になるまでは不在っぽい感じ? よくわからんけど。
「え、じゃあ普通に外に出れば良くない? 場所どこだか知らないけど」
「簡単に出れたら殺し合いに発展しねぇだろ。つまり、なんか仕掛けがあって殺し合いをせざるを得ない状況になるんだろ」
「例えば?」
「1番手っ取り早いのが食糧。監禁されて食べもんがないってなかったら、どうしたって奪い合いになるだろ」
「まぁ、確かにな。つーか、ここに喚ばれたのって俺等だけなのか?」
「…まぁ、俺等より強靭な肉体を持ってそうなのはいっぱい居るよね」
「やめろ、考えるな。面倒臭い」
とりあえずは、どうにかして元居た場所に帰る事だ。もしかしなくても、ここは日本では無さそうだし。そもそも、こんな建物が日本にあってたまるか。
どっかの監獄かよ。
いや、見た事ないけど。
そしてゆっくりと立ち上がり、扉を調べると確かに鍵は掛かってないけど…それが逆に怪しい。そしてあの魔導書には、悪魔の召喚とかあった気がするし…何が出て来るかわかったもんじゃない。恐過ぎる。
で、扉には小さく " sub terra " と " salutem " の文字と何やら呪文と魔法陣的な図が描いてあった。
「あー…この地下は、安全だってさ。つまり、上に上がったらヤバそう」
「だから鍵が開いてた感じね。クッソ、質悪いじゃん」
「何も考えずに飛び出してたら、死んでた可能性があるって事か」
「でもここにいても何もわからないままだよね。どうする?」
「行くしかねぇだろ。バッグから使えそうなもん持って出るぞ」
「もちろん、わたしは待機だよね」
「殺すぞ」
手違いで喚ばれたわたしを酷使するとかクズかよ、しね。
ていうか、純粋に行きたくない。軽くネクロマンサーズを知ってるからこそ、まじで行きたくない。絶対にろくな事が起きないし。
だが、そんなわたしを無理矢理連れて行くのがこのクズ共なんですがね。いや、まじでしね。
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