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そしてどうしたもんかと、黙っていると何かを思い出したかの様に高尾が声をあげた。
「そういえば、どこの部屋だったか忘れたんスけど…地下の部屋でなんか変なノート見付けて千夏さんに渡した時あったじゃないですか。そん時に図鑑みたいな? 資料みたいな感じの本もあったんスよね。英語じゃなかったんスけど、写真ばっかりだったし厚みもなかったんであんまり関係無さそうだなぁ〜って、スルーしちゃいました!」
「それを今思い出すお前にビックリだよ。むしろ、何でも見付けたら報告しろって言った筈なんだが?」
「いやぁ、すっかり忘れてました!!」
「今すぐ探して来い。5分で戻らなかったらぶん殴ってやるからな」
「えぇ! みんなで探しましょうよ! なんか赤い表紙の薄い本で、どっかの本棚の下段にあった気がします!」
「ちょ、ばっちり覚えてて草。まっ、俺も手伝ってあげるよ」
相変わらず、有能だが変なところで無能っぷりを発揮する高尾である。
いや、でも…確かにあの段階で石の資料的なモノを見付けても、関係ないかもってスルーしそうではあるけど、一応は報告しろよ。
とりあえず、自主的にその資料を探しに行く奴等を見送りつつ…更に儀式に必要なモノについて細かく整理をしていく。
儀式に必要なモノは、
*青・赤・緑・白の液体
*青・赤・緑・白の粉末
*青・赤・緑・白・黒の魔法石
を各1つずつ。
で、既に液体と粉末は全種類集まってる上に複数あるモノもある感じかな。
「余分にある液体と粉末は、何か意味があるのか? 他に使い道があるとか」
「どうなん? 魔導書が読める花宮と瀬戸くんにしかわからんと思うんやけど」
「まぁ、他の使い道があるかと聞かれたらあるが…シロの封印が解け掛けてる今となっちゃ、関係ない」
「んー、魔術を使う時に精神力を極力使わない為にある補助アイテムみたいなモノだと思ってくれればいいかな」
「可視の魔術なら、可視したい空間の中で緑と青の粉末を火にくべて呪文を唱える…みたいな感じだ」
「お前等、魔導書ばちこり読んでたもんな。ていうか、使い道わかってたなら言えや」
「必要な時じゃなかったから黙ってただけだバァカ。そもそも、先に言ってたらお前か原辺りが無駄使いしてただろ」
ぐ、ぐぬぬっ!!
確かに、そう言われてしまうと…わたしと一哉ならじゃあ試しにちょっとやってみようぜ! とかになりそうだ。
しかも余分にあるから大丈夫っしょ! みたいな感じで軽く使いそうだから怖いよね!!
(おーい、これか?)
(高尾はやっぱり無能説)
(まさかの福ちん達が持って来たし〜)
(んっ、チラッと中見たけど多分これだと思うぜ)
(え、わたしに? ありがとうございます)
(あえて、マコトには渡さないんですね)
(べ、別にどっちでもいいだろ)
(んー、ラテン語かぁ。ダルいから健ちゃんパス)
(えぇ…花宮にパスする)
(ふざけてんのか、千夏が読めよ)
※復活した霧崎は強いぞ〜(願望)
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