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健ちゃんがわたしと弘の間に入り、大きな溜め息を吐くと何故かわたしの頭をポンポンと撫でて来たので、それを振り払う。
わたしだって、何も考えてない訳じゃないのに…なんで、そこまで言われなきゃならない訳。
「もういいよ。全部、自分勝手に決めたわたしが悪いんでしょ。で、弘はわたしに何をして欲しい訳? わたしがみんなに謝れば満足?」
「だから、そうじゃねぇって!」
「はい! ストップ! ちょっと、ザキは部屋に戻ってて。で、頭が冷えたら千夏の立場になって色々と考えてみるといいよ」
「……わかった。千夏、別に俺はお前を責めたかった訳じゃねぇから…わりぃ」
「…別に」
目を合わすのも嫌で、ただ素っ気なく答えた。
別に理解しろとは言わない。
そもそも、弘がわたしを責めたかった訳じゃないのはわかってたし。ただ純粋にわたしを心配してくれてるだけ。
だけど、その心配がわたしからしたらウザくて仕方がない。弘はいつもそう、その心配って…わたしを信用してないからでしょ? 不安なんでしょ。
「珍しくザキに本気で怒ったね」
「わかってるなら話し掛けないで。本気でイラついてるから」
「ザキ、俺等の中だと断トツでイイコちゃんだしね。それに気持ちを言葉にするのも下手だし、千夏がイラつくのも仕方ない。だけど、ザキは絶対に千夏を信用してないとかじゃないよ」
「…はっ、どうだか」
「ザキはただ、話して欲しかっただけだと思うよ。もちろん花宮達もそうだし、俺だってそう。千夏がクソで自分勝手なのは知ってるし、理解してる。だけど、俺等に相談どころか何一つ話さなかったのが許せない。それこそ、千夏の方が俺等を信用してないよね」
「………」
「千夏が無理してるのが自分達の為だって自覚してる分、申し訳無いと思うし心配だってするよ。だから、また千夏が全員の命を背負って…自分がやらなきゃって、突っ走るのもわかるけど…仮にそれを俺や花宮がやったらどうする? 怒るでしょ? 千夏も俺等の立場になって考えてみなよ」
あぁ…頭が痛い。
だから健ちゃんは嫌いだ。
弘と違って単純にわたしを心配して〜…とかじゃない分、理解が早いし…わたしが言われたくない、指摘されたくない事を的確に突いてくる。
実のところ、今回の事はわたしが悪いと自覚はしている。本当に何も相談しなかったし。シロと約束するのだって、約束する前に報告をしたり出来た訳で…探索中に勝手にする必要もなかった。
だけど、わたしだって…柄にもなく焦ってるんだよ。
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