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弘と健ちゃんに連れられて部屋の外に出ると、健ちゃんが盛大な溜め息を吐いた。
「それで、何があったの? 俺が千夏と話してる間に何かあったんでしょ。まぁ…なんとなく察しはつくけど」
「…まぁ、おう。なんつーか、千夏が余りにも自分を省みない行動ばっかしてるせいで、俺等要らなくね? みたいな」
「まぁ、だよね。なんでもかんでも自分勝手に決めて、知らない内に色々やってるもんね」
「花宮とか原みたい千夏を全否定する気はねぇけどよ。だけど、流石にやり過ぎなんじゃねぇの? 俺は花宮や瀬戸みてぇに役に立ててねぇからアレだけどよ、必死にお前が傷付かねぇ様にって体張った花宮の気持ちは考えてやれよ」
う、わぁ…。
まさかの弘がガチギレかよ。
いや、まぁ…正直ぐうの音も出ないんだけどさ。実際問題、マジで相談とかなにもせずにわたしが勝手にシロと話を進めてたからね。
…そもそも、危険だとわかっていて3階に行ったのも、魔法石を使って無理をする事になったのも…元を辿れば、わたしの脱出方法を探す為だったね。ていうか、普通に考えてあそこで無理に探索する必要はなかったからね。
いや、だからって…ちょっとメンタルやられ過ぎじゃね? 前の時は、もっと扱い雑だった気がするんだが? もちろん、色々と助けられたけどさ。ていうか、前回はお前等の方がわたしの為って無茶してたじゃん。まぁ、真は今回も盛大に無茶してやらかしてるけどさ。
「別に真の気持ちを考えてない訳じゃないし。つーか、その気持ちを無駄にしたくないから、わたしなりにどうにかしようとしてんだけど?」
「相談もなしでか?」
「相談してもやめろって言うのわかりきってんじゃん。そもそもやるかやらないかは、わたしが決める事でしょ」
「っ、だからそれが俺等を気持ち考えてねぇって話で」
「なら、逆に聞くけどさ。他に何か方法あった? 全員が助かる可能性なんて皆無で、時間すらないこの状況で他にどうすればよかった訳? わたしが好きでシロと約束したとでも思ってんの? わたし以外が間違いなく死ぬって言われて、どうするか選択を迫れてるわたしの気持ちは? それもわかってんの?」
「…はい、ストップ。ザキも千夏も少し落ち着いて」
別に、弘と喧嘩がしたかった訳じゃない。
だけど、俺等の気持ち俺等の気持ちって…ならわたしの気持ちはどうな訳? 何も考えずに死にに行く様な事をしてるなら怒られたって、責められたって文句も言わないし、反論もしないよ。
だけど、わたしは "全員" がちゃんと生きて帰れる様にって…思って色々してんのにさ。
確かに相談も何もしなかったけどさ、それでわたしはあんた達と違って死ぬ訳じゃないんだよ。その違いを理解してんのかって話だよ。
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