有能な生け贄 | ナノ
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で、なんか赤司がわたしを探索から外して自分が行くと言い出した訳だが…理由がわかったので仕方なく納得してやった。

アレ? わたし、優しくね?

いや、まぁ…別に楽が出来るなら楽したいからいいけどね。ていうか、今吉さんに加えて赤司にまでフォローされてて流石に草なんだが。

でも、まぁ…今回はわたしが悪い部分が大きいし? いや、正確にはわたしは全く悪くないんだけどさ。



「志波さんは、もう少し霧崎の皆さんを気に掛けてあげて下さい」

「ぶは、ド直球じゃん」

「志波さん達がお互いを信用し合っているのは理解出来ますが、少し言葉が足りないかと」

「いや、気色悪い事言うのやめてくんない?」

「ええから、仲良くお喋りでもしながら休んどきや」

「…へいへい。ほら、行くよ。うちらは邪魔だとさ」



流石に今吉さんにその顔をされたら茶化す気にもなれないので、仕方なく全く反応しない真の腕を強引に掴んで立たせた。

…つーか、なに?
マジで真まで病んでの?

わたしにここまでされて無反応とか気持ち悪いを通り越して、普通に心配するレベルなんだが? つーか、健ちゃんはまだ理解出来たけど…お前が病む理由なくね?

で、なんだかよくわからない空気の中、部屋を出ました。

ちなみに健ちゃん達も無言で付いて来てるけど、マジで気持ち悪いんだけど。

え? お前等、マジでどうしたの? めっちゃキショクね? いつもなら、ウザいくらい罵倒しまくりなのに。

あの一哉と弘までもが、静かとかマジで意味わからんのだが。

で、霧崎部屋に着いた訳だが…誰かが口を開く訳でもなく座る訳でもなく、全員がただ立ち尽くしている。

……え、流石のわたしもちょっと不安になって来たんだけど。いや、健ちゃんとは話したからアレだけど…えっ、なんなのマジで。



「…え、お前等大丈夫?」

「花宮は座って休んだ方がいい。千夏、手を離してくれ」

「え、おん…」

「……千夏、ちょっとこっち来い」

「へ? あうちっ」



何がなんだかわからないが、真が休まなきゃならんのは事実なので腕を離すと、代わりと言わんばかりに弘に腕を掴まれた。

え、なんか色々とめちゃくちゃ面倒臭い感じになって来てマジで嫌なんだけど。

なんか普通に健ちゃんも一緒に来たけど、あの3人はなんなの? マジキレ通り越して、もはや無視レベルじゃん。

そんな事を考えつつ、せっかく部屋に来たのにまた部屋を出ました。いや、どんだけだよ。


※話し合い部屋
(花宮さん達、大丈夫ですかね…)
(まぁ、大丈夫やろ)
(花宮さん達の気持ちもわかりますしねー)
(千夏はなぁ…しゃーない)
(あの人達、おねぇちゃんが好きなんでしょ?)
(んー…どーやろなぁ?)
(ずっと僕の事睨んでたよ。人間ってわかりやすい)
(つーか、あいつのどこがいいんだよ)
(おねぇちゃん? 面白いところ)
(ギャハハ! それはそう!)
(笑い事ではないのだよ)
※色々と崩壊寸前の霧崎さん

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