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いつもの様に部活が終わって、真達と下らない事を駄弁りながら体育館を出た時だった。
不意に感じた浮遊感と目を開けていられない程の眩しい光。
そして、気が付いた時には知らない部屋に無造作に放り投げられていた。
「っ、なんだ? まさかのラフプレーの報復で拉致られたとかじゃねぇよな?」
「とりあえず、全員いる?」
「まーた、なんか変なのに巻き込まれた系? 千夏、またなんかやったの?」
「わたしじゃねぇよ、しね」
「現実的に考えて、拉致はねぇだろ。それに場所はどこだか知らねぇが、距離と時間が合わねぇだろ」
「…? 花宮、この床に描いてあるのは」
とりあえず、全員いるみたいだけど…何がどうなってんの? 前の時みたいに服装には、変化もないし。ましてや、全員一緒にいるし。
おい、ラフプレーの報復ならわたし関係ないだろ、いい加減にしろ。黙認はしてるけど、わたしはなんもやってないだろ。直接は、何もしてないからな。アイデアは出してるけど。
尚、拉致では無さそう。
なんて考えながら、周りを見渡せば…なんかよくゲームとかで有りそうな石煉瓦造りの地下みたいな場所。で、床にはコンクリートで…なにか怪しい魔法陣的なものが描かれてて、康次郎と真が調べてるっぽい。
あぁ…これは間違いなく、また面倒臭い事に巻き込まれましたねぇ。いやいや、前の事件からまだそんなに経ってないんですけど、ふざけんな。
「あ、ドア開くんだけど。外に出れるって事は、連れて来ただけ?」
「原、まだ出るなよ」
「わかってるって。んー…で、外から物音はしないっぽいよ」
「淡々としてて、もはや突っ込む気になれないね」
「前にも似た様な事あったからね」
「慣れって怖いね」
「千夏は、もう少し怖がるべき」
「無理言うな」
「お、なんか変なノート見付けたぜ!」
とりあえず、健ちゃんと冷静に突っ込み合いをしながら手にしていたバッグの中身を確認していると、まぁ中身は普通に入ってた。スマホを確認すると、電波はないし、まさかの時間が止まってました。でも時間的には、わたし達が帰ろうとしてた時刻と重なる。
つまりは、夢ではなさそう。
だが、現実かどうかは不明。
また精神世界説?
健ちゃんとバッグを調べ終わり、何やら弘が見付けたノートに群がる4人の元へ向かう。ていうか、またノートかよ。
「なんかわかった? て、うわっ…え、ラテン語?」
「まじかよ、よくわかるな」
「さっぱりだわー」
「真と健ちゃんも読めるんじゃないの? わたし、軽くしかわからないし」
「魔導書って感じ、かな?」
「ネクロマンサーズって聞いた事あるか?」
「あっ…え、ちょ、まじで? ヤバ過ぎない? いや、さすがにまずいでしょ」
「あるのかよ。お前、やっぱり頭おかしいわ」
うるさい、バカ。
ちょっとした知識として知ってるだけだし。
ていうか、ネクロマンサーズって実在する魔導書じゃん。いやいやいや…さすがにそれはちょっと。わたし達が手に負えないんじゃないかな。
軽く開いてるページを読めば、もはやヤバ過ぎて笑えて来る。そりゃあ、こんな魔法陣が描いてあっても不思議じゃねぇや。
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