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…チッ、これで黒子が俺が行きますとか言い出したらマジで嫌だから仕方なく木吉で妥協してやるか。
つーか、誠凛は除外しろよ。
絶対に嫌がらせじゃん。
「お前、すぐ行けんの?」
「あぁ、いつでも行けるぞ!」
「…ふぅん」
「ぶふっ…聞いといて全く興味無さげなのウケる」
「あ、それで花宮さんが見付けた不可視の部屋についてなんですが…」
「あー、そういえばあったね。そこもシロがいればどうにかなるっぽいから、行ってくるよ」
とりあえず、さっさと探索に行きたいんだよなぁ。流石にシロが協力してくれるとは言っても、まだ万全ではないし。
無駄に化物と戦わせるのは避けたいし、更に強化した化物とか絶対に会わせたくないからね。そろそろ、今のシロで倒せないレベルになるし。
……ん?
アレ、今のわたしって精神力回復してるんだったよね? なら、普通にシロの封印解けるんじゃね?
チラリとシロを見つめると少し不思議そうな顔をして、すぐに嬉しそうにニコニコと笑った。
…ちょっと不安ではあるけど、信じると決めたからには腹を括ろう。
「ねぇシロ、今なら封印解けない? 普通にシロの魔力補給に気取られてたけど、わたしも精神力は回復してるよね」
「あ、やっと気付いてくれた」
「いや、気付いてたなら言えよ」
「僕から頼むのは嫌だって言ったでしょ? それで本当に解除してくれるの?」
「するよ。え、なに? 今更、わたしを疑ってんの?」
「違うよ、また死に掛けるのに怖くないのかなぁって」
「死なないならいいよ、別に。仮にそれで死んだら笑うけど」
1回で解除は出来ないから、何回か解除の魔術を使うって話だったのにマジで忘れてた。
普通に魔力補給と儀式の準備で頭がいっぱいだったわ。
とりあえず、前と同じ呪文でいいのか聞いたらそれでいいらしい。なんか、面倒なのでこの場で解除の魔術を使う事にしました。
ちなみ、わたし以外の人間が呪文を唱えたところでなんの意味もないのは前回ので判明しているので、他の連中には大人しくしてて貰った。
……うーん! めっちゃ頭クラクラする!! 精神力は回復してた筈なの、この反動はヤバ過ぎなんよ。
グラリと揺れる視界と一気に力が抜けて行く感覚に襲われ、倒れ掛けるわたしを支えたのはいつの間にか近くにいた真でした。
で、めっちゃ睨まれた。
え? こいつキレてね?
そんな事を思いながら、思うように体が動かないので大人しくしていた。
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