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……やべぇ、人間の男には(上辺だけ)モテるけど流石に悪魔とか経験ねぇよ。
だけど、1つだけわかるのはわたしが簡単にシロに屈したりしたら間違いなく、飽きてポイされるって事だ。
今、わたしは "おもしれー女" 状態だからね。
「おねぇちゃんって、人間の癖に小難しく考えるの好きだよね。すっごい捻くれてる!」
「お? 喧嘩か?」
「今も凄い色々と考えてるって顔してたから。えーとね…正直に言うと、僕はそこまで深く考えてないよ? まぁ、信じるかはおねぇちゃん次第だけどね」
「じゃあ直球で聞くけど、悪魔って1人の人間にそんな執着とかすんの? ましてや、インキュバスとか相手選び放題じゃん」
「するよ。悪魔の数だけ嗜好があると思ってくれていいよ。もちろん全く興味ないヤツも稀にいるけど、基本的に悪魔は色んな意味で人間が好きだからね」
…つまり、悪魔も人間と同じで好き嫌いがあると? 色々と悪魔に気に入られるだとか、天使に気に入られるだとかの作り話があるけど、強ち間違いでもないって事ですか。
だけど、正直そんな非現実的なモノに好かれてるとかマジで全然嬉しくないんだが。
ていうか、人間相手に好きとか嫌いとかで動く様には思えないんだよなぁ。だって、力でどうにだって出来る訳だし。
…だけどそれをしないって事は、つまり…えぇ、マジでわたしの事が好きな可能性が高いじゃん。
「こういうのってよくある事なの?」
「んー? あると思うよ。特に僕みたいに人間の魂が要らない種族は、契約も人間を殺す事も基本しないし」
「そこは否定して欲しかった」
「僕は、ただおねぇちゃんと一緒に過ごしたいだけだから」
「一生でしょ?」
「うん! 死んだら魂は僕が保管してあげるからね!」
「言ってる事やべぇ…」
ただちょっとの期間とかなら、まだ妥協出来るんだけど…流石に一生は無理だわ。
そして、そんな事を嬉しそうに話すシロに流石のわたしも頭が痛くなってきたぜ。
…んー、どうしたもんかなぁ。素直にシロがわたしに好意を寄せてるとしても、簡単にわたしの願いは聞いてくれないじゃん? 現に契約させようとしてる訳だしさ。
無償とはいかなくても、契約せずにどうにかならんかなぁ。
「シロは、わたしと契約したい訳ではないんだよね?」
「おねぇちゃんが僕と一緒にいてくれるって言うなら、別に要らないかな。もちろん、嘘付いたりしたら許さないけど」
「んー…ちょっと無理な提案して良い?」
「いいよ。おねぇちゃんの考え面白いから」
もうこうなったら、無理を承知で頼むしかねぇわ。どう考えても意味わからんし、絶対にシロが頷く訳はないんだけど…わたしってば、か弱い人間だからさ!
誰も死なずに契約もしなくて済むってんならなんだってしてやるぜ!!
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