25*(1/5)
なんかド直球に大好きとか言われて、違う意味で恐怖を感じているわたしです。
え、なんなの? インキュバスに好かれるとか全然嬉しくねぇんだけど。いや、そもそも悪魔に好かれるってなんだよ。
「え、わたしの体目当てですか? インキュバスだもんね、仕方なくねぇわ…ふざけんなよ」
「んー、それは半分くらい? おねぇちゃんみたいな人間って見た事なかったから、珍しいのもそうだけど…単純に僕のモノにしたいなぁって」
「可愛い顔してすげぇ恐ろしい事言うじゃん」
「使い魔を見ても怖がらないし、今の絶望的な状況にも屈しないところが好き。なのに僕の事を切り捨てないし、なんならまだ信じてくれてるし、なのに僕の思い通りにならない辺りが本当に大好き」
「マジでわたしの事大好きじゃん。しかも悪魔的に歪んでて最高だな! 怖過ぎかよ!!」
いやね? 確かに、最初からわたしに何故か無駄に懐いてたけどさ、そんな歪んだ懐き方してたの? え、最初から!?
あの幼女の姿の時から既にそんな思考で、わたしの近くにいたの!? はっ、ちょー怖くね? つーか、マジでなんでわたし無事なの? 普通に手籠めに出来たよね。え、マジでこいつの思考回路がわかんねぇ。
ていうか、すげぇ早い話が自分の思い通りにならないから、こいつどうにかしてやろう! みたいなノリだよね? まさに "おもしれー女" 状態じゃん。
いや、わたしは全然面白くねぇけどな。
「え、シロはわたしをどうしたいの? 魔力補給の道具として傍に置きたいとかじゃないの?」
「最初に言ったよ。おねぇちゃんがいてくれれば、他はどうでもいいって」
「………えぇ、まさか本当にただ一緒にいたいだけとか言わないよね?」
「うん、一緒にいたいだけだよ。もちろん、一生だけど」
「…いや、それなら無理矢理わたしを連れ去るなりなんなり出来るじゃん。なんでしないの? マジで意味わかんないんだけど」
えっ、いや、マジで意味わからんのだが…本当にわたしをただ傍に置きたいだけとか普通に考えたら有り得なくね? 相手が100歩譲って人間なら、まぁわたしの可愛さで一目惚れとかはあるかもしれんけどさ。シロは悪魔で、しかも女を喰いモノにしてるインキュバスだからね。まーじで理解出来ない。
だけど、なんか嘘付いてる様にも見えないんだよなぁ。いや、そこは悪魔だから上手く誤魔化してるだけなのかもしれんけど…でも、なーんかなぁ。
無理矢理どうこうしない辺りでわりと意味わかんないし、本当なのかもしれない。
もしかして…シロさんたら、わたしにマジで惚れてるんですか? いやいや、まさかね…悪魔が人間とかないッスよね!
…え、マジでそうならクッソ面倒くせぇんだけど!!
prev /
next