有能な生け贄 | ナノ
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んー、運良く化物に会わないのはいいけど儀式に必要なモノもなかなか集まらない。



「ねぇ、シロはマジでどこに何があるか知らないの?」

「うん、1階の部屋の魔法石以外は知らないよ。死ぬ度に違うから」

「んー…まっ、しゃーないか。じゃあ次は隣の部屋に行こ」

「本当におねぇちゃんは、僕が嘘付いてないと思ってるの?」

「んー? まぁ、嘘なら嘘でしゃーないかなって。勝手に信じたのはわたしだし、嘘に気付かなかったわたしが愚かでバカだったって事で」



いや、本当に今更だし。
仮にマジで全部が嘘で最初からわたしを騙してたなら、もう本当にどうしようもないし。

とりあえず、わたしには危害を加えないのは確かなので、さっさと探索を済ませたい。

何か言いたげなシロを無視して、手早く部屋の中を漁る。

んーと、後必要なのは…主に魔法石なんだけど…全然見当たんねぇんだよなぁ。真が使っちゃった魔法石は、なんか本の中にあったとか言ってたけど…全然そんなもんないんだが?

ちなみに一哉が見付けて来た魔法石なんて普通に置いてあったとか言ってたし。マジで適当過ぎんだろ。

アレかな、真の使っちゃった魔法石は儀式に使う用じゃないからとか? いや、普通は逆じゃね? 儀式されたくないんだから、普通なら儀式用を隠さね?

あぁー意味わかんね!!
液体と粉末は、結構わかりやすくポンと置いてあったし。何を基準にしてんだか、サッパリだぜ。



「おねぇちゃんは、僕が怖くないの?」

「すっげぇ今更じゃん。まぁ…今のシロを怖くないって言ったら嘘になるけど、そこまでって感じ? そもそも、殺す気があるなら既に全員殺してるでしょ」

「じゃあ、僕が契約してくれないと全員殺すって言ったらどうする?」

「急に悪魔みたいな事言い出すじゃん。えー、契約しない」

「理由は? おねぇちゃん以外、みんな死んじゃうんだよ?」

「別にない。つーか、そんなんでわたしが契約すると思ってんなら舐め過ぎでしょ」

「……やっぱりおねぇちゃんは、普通じゃないなぁ」

「なんかサラッと失礼な事言ってね?」



シロの質問の意図はわからないけど、もしそんな事になったらわたしは自殺する勢いでヤバい魔術を使うから任せて欲しい。

そもそも、シロを信じて此処まで一緒に行動をさせてたのはわたしだし。みんなは、少なからずシロを疑ってた訳だからね。

まぁ、今回はもう最悪はみんな仲良く死のうや! どうしたってわたし等は、人間だし。悪魔とか魔術とかマジで訳わかんねぇ事ばっかりなんだから!!

と言いたいところだが、わたしは諦めが悪いのでそう簡単に諦めたりはしねぇんだよバァカ!



(僕と契約してくれたら、みんな助けてあげるのに)
(絶対に嫌だ!)
(痛い事はしないよ?)
(そういう事じゃない)
(んー、難しいなぁ)
(わたしを諦めればいいよ!)
(それは嫌だ。おねぇちゃん欲しい)
(直球かよ。わたしの事、大好きかよ)
(うん、大好きだよ)
(え、こわっ!!!)
※迷走中のお留守番組と意外と呑気な千夏ちゃん組。

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