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そもそも、俺等が今更こんな話をしててもなんの意味もねぇんだよ。
「ねぇねぇ、シロが異常に千夏ちんを好きなのはわかったけどさ。それって、ある意味チャンスなんじゃないの?」
「どういう意味だい?」
「だってさ、今のシロはまだ完璧じゃなくてももう少しで自分で封印を跳ね返せるんでしょ? なのに約束までして、協力してくれてるのってなんかおかしくない?」
「は? だからそれは、千夏を縛り付ける為だって言ってたじゃん」
「そもそも、縛り付ける必要ないじゃん。封印が解けたら好きに千夏ちんを操るなりなんなり出来るんだし」
「っ! なるほど、そういう事か! アツシ、流石だ!」
「…なるほど、確かに。もし、仮にそうだとしたらまだ希望は大いにあるね」
…いや、お前等揃いも揃って恋愛脳かよ。相手が人間ならまだしも、あいつは悪魔だぞ。そんな頭お花畑な訳あるかよ。
こいつ等が言いたい事は、わかるが…それは相手が人間だった場合の話だろ。
確かに、無償で千夏の為に色々と協力している様に見えるが…それも全て計算の可能性が高い。というか、俺ならそうする。
「花宮が物凄く呆れた顔しとるけど、どうなん?」
「絶対にないとは言わねぇけど、俺なら絶対にない」
「ほな、花宮がシロの立場ならどうするん?」
「千夏から契約を持ち掛けてくるまでいい子なふりして、信用させとく。自分から契約を持ち出すなんて事は、絶対にしねぇな。先に契約を持ち掛けた方が立場的には、下になる上に得がねぇからな」
「悪魔より悪魔の思考しててウケる。まぁ、俺もそっち寄りだけどさ」
「でもさ、シロってインキュバスだよね。純粋に千夏が女だからって可能性もあるし、魔力不足なのも相まって千夏に執着してるんじゃないの?」
「唐突にえっちじゃん」
「原はちょっと黙ってて」
「珍しく瀬戸が怖い」
そういえば、裸の女が死んでた部屋があったが…実は、アレもシロが男連中を殺した可能性もありそうだな。
チッ…結局、何もわからねぇし何も出来ねぇ。そもそも、俺等が相手に出来るもんじゃねぇんだよ、クソが。
健太郎が言うようにただ単に、餌として千夏を見てるならまだマシだが、もし仮にあいつがただの恋愛脳だった場合…めちゃくちゃ面倒くせぇ。
だが、逆に俺と同じ思考なら…本当に俺等にはどうにも出来ない段階だ。
……で、あのバカが1番助かる可能性が高いのが悪魔が恋愛脳だったらって…マジで意味わかんねぇ。
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