有能な生け贄 | ナノ
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へへっ、やべぇ…真と健ちゃんの顔が見れないぜ。もちろん、怖くてだよ。



「つまり、千夏を犠牲にして儀式するかしないかって話? そんなんする訳なくね?」

「その場合、千夏以外は死ぬけどな」

「は? 協力するって話はどうなってんだよ。わざわざ、千夏が約束したんだろ?」

「いやぁ…わたしが協力の約束ミスったせいだわ。 "情報提供と一緒に探索に行く事" とか…限定するんじゃなかった」

「もう俺等にはどうにも出来ない段階なんだよ。召喚される化け物が人型になった時点で俺等はほぼ探索には行けない。一緒に行ったとしても、シロが俺等を助けてくれるかわからないからね」

「僕は嘘は付いてないよ。儀式をすれば間違いなく帰れるし、協力もするよ?」



…ヤバい、霧崎メンバーがお通夜の様に静かになってしまった。いや、間違いなくわたしのせいなんだけどさ。

ていうか、この場面でも悪びれた様子もなくわたしに笑顔を向けられるシロが恐ろしい。やっぱりお前は、悪魔だわ。

全然いいヤツじゃなかったわ。マジで騙された。本当にただただわたしを縛り付けたいだけの悪魔だったわ。しかも、ちゃっかり封印をわたしに解かさせてるからね。マジできたねぇ、この悪魔。



「あのー、いいッスか? 千夏さんがシロと約束したのって "一緒に探索に行く" でいいんスよね?」

「そうだけど」

「なら、千夏さんとシロが2人で探索行けば済みません? シロは、まだ千夏さんに死なれたら困るんスよね? なら、絶対に千夏さんを守らなきゃならないし」

「……お前、天才か!! あ、めっちゃシロが嫌な顔した! よし、それで行こう!! わたしが儀式に必要なモノを探してくる!」

「でも1階の部屋は今のこいつでも無理なんじゃなかったか?」

「そこは、まぁ追々よ! 今は、その部屋以外を探索するしかないっしょ」



いや、普通に気付かなかったわ。マジで高尾ナイス過ぎんだろ。そうだよ、わたしは死ねないというか…シロ的にはまだ死んで貰ったら困る訳で、わたしなら安全(?)に探索出来んじゃん。

ていうか、あからさまにシロが嫌そうな顔をしてるのでマジで正解くさい。

とりあえず、1階の部屋は今はどうにもならんから先に他の部屋を探しに行くしかない。

とは言っても、残ってるのはほぼ3階だからそんなに時間は掛からないとは思うけど。まぁ…相当ヤバい化け物がいない場合だけど。

そしてシロ並に嫌な顔をしている霧崎メンバーを無視して、さっさと探索へ向かう事にした。




(おねぇちゃん…諦め悪い)
(誉め言葉じゃん)
(僕、別にあいつ等どうでもいいし)
(約束は約束でしょ?)
(……なんか狡いなぁ)
(悪魔が言う台詞じゃねぇんだよなぁ)
(でも1階のあいつは、本当に今の僕でも無理だよ)
(それはわかってるから大丈夫)
(封印が完全に解けたら余裕だけどね)
(クソ、わざとらしく言いやがって)
(代償はおねぇちゃんでいいよ)
(…ド直球過ぎなんだよなぁ)
※シロは最初から千夏ちゃんにしか興味ありません

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