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で、結局シロと一緒に囮をするのは赤司になったんだけど。まぁ、普通に弘が囮になっちゃうと一哉と康次郎を物理的に抑えられるヤツがいないしな。
多分、バスケのコートの中なら間違いなく赤司は強いだろうけど、コートから出たら間違いなく一哉と康次郎の方が上だからね。むしろ、なんでもありにしたら赤司はある意味最弱だからね、仕方ないね。
霧崎の中でも、ラフプレーに超特化しているこいつ等の凶暴性を舐めてはいけない。
「では、俺とシロが化け物を引き付けている間に皆さんは地下へと戻るという感じで大丈夫ですか?」
「んー…。正直、赤司とシロを待ってたいけど微妙なんだよなぁ。そもそも、もう1体の化け物がどこにいるかわからないし」
「…確かに、もう1体が音でこちらに向かって来たりしたら階段で鉢合わせする可能性もありますね」
「そうなったら、赤司とシロが囮してる意味なくなるじゃん? むしろ、わたし達の方が危ないまである」
「つまり、千夏はどうしたいんだ?」
「ん、ちょっと考えさせて」
前の時は、魔術込みで上手くいったけど…今回はそもそも場所が悪い。
それに前の化け物とは見た目が違う辺り、更に共食い後の化け物な訳で…そう簡単にいかなそうだ。
ていうか、前の化け物に比べてあからさまにこっちの存在に気付いた上で行動してる辺り…ちょっと怖い。階段にいれば、間違いなくわたし達が来るのをわかってるから階段前から動かない訳だし。
下手にわたし達を探し回るよりも確実にわたし達を見付けられるし、何より逃げられる心配もない。
……アレ? これ思ってたよりかなりヤバくね?
「ねぇシロ、わかる範囲でいいんだけどさ…今の化け物って段階的に言うとどのレベルの奴等なの?」
「んー…、ざっくりだけど15段階の9とかかな? まだ人型じゃないから」
「あー…なるほど、なら余計に不味いな。ていう事はつまり、10から上は人型なんだ?」
「うん。でも人型って言っても、人間には程遠いけどね」
「………千夏さん、俺もやっと理解しました。囮は、やめておきしょう」
「あ、気付いた? でも囮をやめたらやめたで、この階から抜け出せねぇんだよなぁ…」
「は? いや、なんの話? 意味わかんねぇんだけど。説明してくんね?」
流石に赤司もバカではない。
ここまでの流れを整理して考えれば、なんとなくヤバい事には気付くだろうが…理解したって辺りが流石だ。
だがしかし、そんな奴等ばっかりではないので一哉が不満そうに口を挟む訳だ。
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