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…う、うぅ〜あぁ〜…。
きっつ、これはきっつい。
キスとか余裕だろと油断していた結果、わたしは大変苦しんでいる。
よく考えればわかる事だけど、相手はインキュバスな訳で…まぁ、そりゃあ催淫効果とかありますよね。
その結果、理性が崩壊寸前で思考がぶっ壊れそうでわたしは必死である。
そして目の前には、申し訳なさそうな顔をしつつわたしを心配しているシロ。く、くそっ…可愛い顔しやがって、この悪魔め!!!
ていうか、呪いがあってこの威力なんですか? なら、呪いが解けた後とか恐ろしくてたまんねぇな。わたしの理性とか一瞬でぶっ飛ぶんだが? むしろ、キス1回でこの有り様なんだが? どうなってんだ、このインキュバス。
いや、インキュバスだからこそか。ダメだ、頭が死んでやがる。
「おねぇちゃん…だ、大丈夫…? ごめんね」
「っ、これ…どうすれば収まる?」
「…えっ、わからないけど…気絶する、とか?」
「はっ…物騒で草。でも、ちょっと手出さない自信ない、からっ…気絶させて」
「……わかった」
流石にシロを襲いたくはない。ていうか、普通に誰彼構わず襲いそうなのでワリとマジで困る。いや、そういう効果のモノだから仕方ないんかもしれないけど…わたしは、嫌だ。
で、気絶を選んだ訳だが…まさかのそっち?
確かに、シロからしたら魔力も回復するし? わたしを気絶させるのも簡単だろうけど、鬼畜かよ。いや、悪魔だけど。
マジでキスくらい別に減るもんじゃないけどっ…流石に悪魔にキスで気絶させられるのは、ちょっと嫌だったなぁ。
もちろん、理性はぶっ飛ぶ寸前だった訳で…そんなもん、あっさりシロを受け入れるしかないじゃないか。
息苦しささえ心地好くて、もはや何も考えられなくなって来た時だった。
急にドアが開いて聞き覚えのある声が熱に融けた脳に響き、ゆっくりと目を開けるが…体は動かない。
「なっ…」
「…はっ、どういうつもりだ?」
「だから言ったじゃん。千夏と2人っきりにすんなって」
「…千夏に何したの?」
「……おねぇちゃん? 僕、どうしたらいい?」
……っん、あぁーー…。
まだ熱の引かないわたしの体を支えながら、シロが困った様にわたしを見つめる。
えー…えーとっ…。
なかなか、思考が戻って来なくて頭を押さえてただ唸る。
だけど、とりあえず…わかるのはシロは守らなくちゃならないって事で…ゆっくりと真達の方を向きシロを守る様にスッと手を広げた。
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