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あぁ…嫌だ。気持ちが悪い。
笑って笑って笑って、何も楽しくないのに笑顔を貼り付けて。言いたくもない言葉を並べて、イイコになりきって。
だから、
"
ワタシが代わりに生きてあげるね "
「っ……!!」
「あ? やっと起きたか」
「おはようございます。志波さん」
「千夏、おはよーさん。ワシも無事に帰って来たで」
「………そう、ですか」
「…まだ寝足りねぇのか?」
「…いや、大丈夫」
目の前に真達がいた事よりも、今までの事は夢じゃなかったんだと…何故か酷く辛く感じた。
知らない体育館。
関わるはずもない人物。
全部が気持ち悪くて、思わず口に手を当てた。なんかわからないけど…吐きそう。全部がニセモノに見えて来て、目の前が歪んで見える。
考え出したら止まらない。めちゃくちゃにわたしの思考が乱されていく。
わたしがいるから、わたしが生きてるから、ニセモノがうまれて、
「おいっ!!」
「っ…ま、こと…」
「しっかりしろ。嫌な夢でも見たのかよ」
「……ちょっとなんか言って」
「…クソバカ女、寝惚けてんじゃねぇぞ。シバくぞ」
「…そこまで言えとは言ってねぇよ、クソ眉毛」
……ダメだ、寝ると良くない。
嫌な事ばかりが頭を支配して、思考が殺されていくのがわかる。そりゃあ、わたしを精神的に追い詰めた方が乗っ取るにしろ、殺すにしろ簡単だろうし。
目を閉じて、ゆっくりと呼吸をする。
わたしが悪い訳じゃない。
全部、あのクローンとクローンを生み出した研究員が悪い。だから、わたしはむしろ被害者だ。責められる筋合いはない。
……あぁ、クソ。
真なんかの顔を見て安心するとかマジで末期かよ。普通に弱ってんじゃねぇよ、バカかよ。
しっかりしなきゃ。
「…大丈夫、ですか?」
「あー…ごめん。なんか、わたし寝ると良くないっぽい。思考がぶっ壊れる」
「精神汚染でもされてんのかよ、お前」
「かもね。自分でも意味わかんない思考してたし、支離滅裂だったし、頭ん中をぐちゃぐちゃにされてる気分」
「…顔色が悪過ぎや。ちょい待っとき、水持って来るわ」
未だに頭の気持ち悪さは治らず、苦い顔をして頭を押さえていたわたしの頭を軽く撫でると今吉さんがすぐに立ち上がり、足早にどこかへ向かった。
あぁ…マジで吐きそう。
寝たのに最悪かよ。
そしてわたしが起きた事に気が付いたのか、バタバタと足音が近付いて来るのがわかった。いや、まぁ…さすがに誰かなのかはわかるけど。
「千夏ってば、寝過ぎっしょー」
「確かによく寝ていたな。ん? いつもより不細工だがどうかしたのか?」
「…お前等が相変わらずで、わたしは何故か安心している」
「は? ついに頭狂った?」
「いや、手遅れだ」
「ふはっ、強ち間違っちゃいねぇな」
「お前等まじでしね、クソが」
知ってた、うん。
わたしの顔を見るなりふざけた事を抜かす、一哉と康次郎にイラッとする。
いや、まぁ…別に心配されたからってどうにかなるもんじゃないし。いつも通りに接してくれた方が、わたしも気が楽だけどね?
だが、お前等はもう少し言葉を選ぶべき。ほんとしね。
ていうか、なにその格好。どこの制服だよ、似合わなっ!! しかも今吉さんも同じじゃん、気持ち悪っ!!
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