さよならと嗤う | ナノ
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赤司から詳しい話を聞いてる間、千夏には寝てて貰う。あいつは、少し働き過ぎだ。ていうか、あいつは何をしてんだよ…無駄に注目浴びやがって。

後で、あいつ等にも説教だな。

千夏にTシャツと上着を貸してから、すぐに戻ると赤司がすまなそうな顔をしていた。



「…元気そうでよかったです。何度も無茶をさせてしまって…本当にすみません」

「あいつは、気にしてねぇよ。つーか、あいつが最善だって判断しての行動だ。お前がどうこう感じる必要はねぇよ」

「頭が回って、あんだけ動けるとなると…ま、そうなるわなぁ。せやけど、ほんまようやったわ」

「志波さんの判断は的確でした。青峰と黄瀬に話を聞いた限り、俺や紫原が助かったのは間違いなく…志波さんのお陰です」

「お前に死なれちゃ情報がパァになるのと、まぁ…あいつの事だからあの女の思い通りにさせてたまるかっていう意地だろうな」



そもそも、あいつはそこまで優しい奴じゃない。自分の利益にならない奴を、わざわざ助けてまで生かすとは考えにくい。それにあいつは、キセキが死ぬ程嫌いだ。

だが、今の状態的に必要だと判断した結果…赤司や紫原を助ける形になっただけだ。それに千夏の事だ、自己犠牲の精神があるのは知ってたが…それは次に繋がる確信があったからした事だろう。

無茶はするが、無駄に命を投げ出す様な奴じゃないからな。



「で、千夏の事はどうでもいい。これからどうするかだ」

「……今回の事で、姫野さんがクローン、またはこちら側ではない事はハッキリとわかりました。ですので、探索には今後参加させない事とします」

「みんなには説明をどないしよか。ここまで来たら、情報を全部公開してもええ気がするが」

「まだ早いだろ。それとまだ水晶玉に関して、何もわかってねぇからな」

「結局、今回の探索では見付かりませんでしたからね。しかし、鍵は志波さんが手に入れてくれたので探索事態は可能ですね」



……今の状態で、余り戦力を探索に向けたくはねぇが。ゾンビが強化されてるから、それも無理がある。そもそも、まともにゾンビと対峙出来る奴が少な過ぎる。

うちの連中は、まぁ…全員大丈夫だろうが。さすがに少し無茶が重なってる。特に千夏と原は、最初っから戦力として長い事ゾンビと戦いっぱなしだ。それとザキは怪我をしてるから、今回は見送る。

となると、古橋と健太郎だが…あいつ等も万全かと言われるとそうでもねぇ。特に健太郎は、千夏の心配をしてたからな。そこまで脆くはねぇが、心身共に疲れてるのが目に見えてわかる。

古橋は、別に文句は言わねぇだろうが…あいつもザキ程じゃねぇが怪我をしてるしな。まぁ、俺が行けって言えば行くだろうが…やはり疲れが見える分、余り行かせたくはねぇな。



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