さよならと嗤う | ナノ
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そして打撃痕に続き、血の跡を見付けていよいよ赤司達が生きてるか怪しくなってきた。

ていうか、どんだけ逃げてんだ。いや、まぁ…怪我してるし、あの女から目を離せないから仕方ないか。

で、辿り着いたのは見事にドアが破壊された教室。入りきれないのか、ゾンビが溢れてる辺り確実にあそこに赤司達がいるだろう。

つーか、そこ…わたし達がゾンビの湧き潰しで前に来た3ーFじゃねぇか。3ーFはゾンビの宝庫かよ。



「はぁ…わたしが突っ込むから、一気に中に入って赤司と紫原の生存確認して来い」

「あぁ? あんた、怪我してんだろ」

「だからだ、バカ。今更、わたしが怪我するのはいいんだよ。お前等が動けなくなる方が不味いっつ…ってんだよ!」

「だ、だけど…」

「うっせぇな! 死ぬ気なんて更々ねぇから! さっさと来い、行くぞ」



わたしだって不死身じゃないし、怪我もしてますからね。時間を掛けたら不味い。

で、1番動ける2人を助けに向かわせた方がいいに決まってる。もちろん、わたしも後は追いますけど。

この数のゾンビ相手に1人で戦うとかバカな事はしない。ゾンビを退ける仕事はしてやるが、仕留める事は無理だからな。ハサミ1つしかないし。

そしてわたしがゾンビを掻き分ける様にサハミと蹴りで、道を作る。すぐにその後を青峰と黄瀬が追ってきて、途中でわたしが足を止めて2人を先に行かせる。

っ…いっ…! クッソ鬱陶しい!! ゾンビの癖にナイフとか使ってんじゃねぇよ、殺すぞ!!



「赤司っち! 紫原っち!!」

「おいおい、大丈夫かよ」

「あぁ…なんとかね」

「っ…はっ…はぁっ…」



…おっけー。
赤司と紫原の生存確認。

はぁ…よし気合いれてぶっ飛ばしましょう。グッとハサミを持つ力を強め、勢いよくゾンビに飛び蹴りをして周りにいるゾンビごとぶっ飛ばす。そしてバランス崩したゾンビの頭を踏み潰し、近くにいたゾンビの頭にハサミを突き立て、すぐに飛び退く。

思ったより固くない。
イケるな。

なんか、紫原の声がまともに聞こえなかった辺り…かなり負傷してそうだから、軽くこの辺はわたしが片付けてやった。

そしてハサミでゾンビを捌きつつ、やっと赤司達の元へ合流する事が出来た。



「よう赤司、随分と愉快な格好してるじゃん」

「…恥ずかしながら。ですが、志波さんなら来てくれると信じてました」

「で、状況は? 紫原がかなりヤバそうだけど動けんの?」

「っ…まだっ…動けるし!」

「おっけー、その根性は良し。おい青峰、さっきよりゾンビは固くないからお前先行イケるな?」

「おう、仕方ねぇからな」

「おい、黄瀬」

「……わかったスよ」



多分、紫原の状態はかなりよろしくない。意地でどうにかしてるレベルだと思う。まぁ、赤司を守ってたんだろうけど…よくやったじゃん。

で、青峰に先行を行ってもらって…案の定、無傷のあのクソ女は黄瀬に任せる。さすがに置いてはいけないからな。正直、ここで殺してやりたいくらいだが…まぁ、今は紫原と赤司を早いところ体育館に連れて行かなきゃならんし。

顎で黄瀬に先に行けと合図を送り、その後を赤司と紫原を連れてわたしが続いた。


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