さよならと嗤う | ナノ
04*(1/4)


はぁ…もうマジで勘弁。
ていうか、しつこくて吐きそう。話し掛けてくんなって言ってんのに、どんな鋼メンタルだよ…マジで。



「志波さんっ…あの、これよかったら…」

「…」

「ぶっ、無視」

「愛、もうやめろって! そんな奴、放って置けよ!」

「そうですよ。愛さんの優しさを無下にする様な人です。きっと、愛さんが羨ましいんですよ」

「で、でもっ…」

「いいから行こうぜ」



おう、早く連れてけよ…頭がお花畑の光影コンビ。

そして、2度とわたしに近付かせるんじゃねぇクソが。こっちも迷惑してんだよ、気付けよ。ていうか、どんだけおめでたい頭してんだお前等。

"羨ましい?"

ないね、絶対にない。あんな奴が羨ましいとか死んでもないから。



「ぶ、どんだけ嫌いの」

「同じ空気を吸いたくないくらい」

「まぁ、あんだけ絡まれるとそうなるよな」

「ていうか、真は?」

「なんか、今吉さんと話があるとかでどっか行ったよー」

「ふーん」

「ていうか、本当にいいのか? 一応、女だろう」

「一応付けんな、殺すぞ」



正確な時間はわからないが、とりあえず寝るって事になったんだけど…女子は女子でみたいな提案をわたしは蹴っている。

もちろん、わたしの身が危ないからだ。だって、あんな得体の知れない女と一緒に寝るとか自殺行為でしょ。

それに周りから敵意を向けられてますし? 寝込みを襲われたりしたら、堪ったもんじゃない。怪我をしてなかったら、ぶっ飛ばせる自信があったけど今は無理。

まぁ、そもそもどんな事があっても仲良く一緒に寝るとかする気ないけど。



「で、千夏はどこで寝んの? 真ん中?」

「しね」

「壁側の端でいいんじゃない? なんかあったら困るし」

「健ちゃんマジで大す」
「ごめんやめて」

「ちょ、瀬戸の真顔。まぁ、気持ちはわかるけど」

「お前等、本当にクソだよな」

「何を今更」



まぁ、別に真ん中以外ならどこでもいいんだけどね。ていうか、左側に人がいると怖いから壁側の端でいいよ、うん。

怪我にぶつかったりしたら嫌だし。ていうか、何もしてないのに痛いんだから察してくれ。

そして体育館倉庫にあったカビ臭いマットに寝転がる訳だが、学校ごとに1枚とかいう鬼畜配布なので、横にして使って腰とか脚とか余裕で出てる感じ。

まぁ、頭と背中が痛くないだけマシだけどさ。



「で、千夏の隣は?」

「一哉と弘は絶対にやだ」

「えぇ? なんでー」

「一哉はちょっかい掛けてくるし、弘は寝相悪い。あ、健ちゃんもやだ」

「え、心外なんだけど」

「寝惚けて抱き枕にしたの誰だよ」

「それは仕方ない」

「じゃあ、花宮か古橋だよねー」



そして結局、わたしの隣は康次郎になりました。まぁ、別に真でも康次郎でもどっちでもよかったから文句はない。

ていうか、真が戻って来ないから、すぐに寝られる様に真を端にすればいっかーみたいな感じ。


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