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包帯に滲む血を見て真と言い合いになったが、"報告が先でしょ"と健ちゃんが東側での探索の成果を話し出した。
「へぇ、で…健太郎的には?」
「…まだやめといた方がいいかな。なんか新顔いるし」
「???」
「ふはっ、わかった。とりあえず、そこのバカの手当てしとけ」
なんだかよくわからないけど、健ちゃん達は何か重要な物を見付けたらしいが…報告しないって事になったっぽい。武器の事は、言うみたいだけど。
そして詳しく話してくれる気がない真は、スタスタと赤司と今吉さんの元へ向かった。
ていうか、超次元会話してんじゃねぇよ。ちゃんとわたしにもわかる様に話せや…と健ちゃんを睨むが余裕の表情。
…このやろう。
「ほら、行くよ」
「いや、手当て」
「するよ」
「おい、被」
「せるよ」
「…キレそう」
「短気過ぎない?」
うるさいよ。
腕は痛いし、話はわからないしで苛々すんのは仕方がないでしょうが。
そんな事を話ながら、霧崎スペース(わたしが寝てた場所)に向かった。そして健ちゃんが手当ての準備をしていると、ゾンビ達を倒し終えたのか一哉達も戻って来た。
あの数相手に無傷かよ、お前等強過ぎかよ。
ていうか、健ちゃんの手当てが雑過ぎてクソ痛いんだけど。なんなの? もしかして日頃の恨み晴らしてんの? 寝てる時におでこに落書きする事まだ怒ってんの?
「たっだいまー」
「俺は、ドロップ品を花宮に渡してくる」
「ドロップとかすんのかよ、ゲームかよ」
「なんか千夏が元気になってて草」
「もう頭冷えたから、ばっちりだから。邪魔にだけはならない様にとか思ってたけど、いつも通り邪魔しに行くから任せて」
「やだ、千夏が可愛い事言ってるかと思ったらただのクズだった」
いや、一哉にクズとか言われたくないし。ていうか、そんな事はもはやどうでもいい。そのバットをわたしに寄越せ。
この苛々をゾンビにぶつけてやりたい。というか、元はといえばゾンビが追って来たせいで怪我したんだから、ゾンビがなんもかんも悪い。絶対にぶっ殺してやる。
そんな事を考えながら、健ちゃんの手当てを受けているとフっと影が落ちた。
「あ、あのぅ…大丈夫ですか?」
「……」
「ぶっ、ちょ…千夏、顔っ!」
「俺等になんか用。ていうか、あんた誰」
「えっ…わ、私っ…誠凜1年の姫野 愛です。愛って呼んでください!!」
「…原、パス」
「えぇ〜? 俺は原一哉よろ〜」
え、なんか健ちゃんが凄い警戒してて怖いんだけど。そして、一哉がチャラいのは今に始まった事じゃないから、問題ない。
しかし問題はこの得体の知れない女だ。は? 探索前にはいなかったよね? 女は、誠凜の監督と桐皇のマネージャーだけでしょ。
こいつ、どっから湧いて出てきやがった。
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