さよならと嗤う | ナノ
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なんか、わたしが寝てる間に色々と起こり過ぎなんじゃなかろうか。ていうか、起こせよ…このやろう。



「ま、そんな感じで俺等は何もしないで待機って感じだよ」

「赤司達が探索に行ったのはわかるけど、メンバー聞いた限り死人出るでしょ」

「そいつが使えなかったから死んだ、以上」

「人間、死ぬ気で頑張ればなんだかんだで死なねぇって」

「メンタルお化けと脳筋は黙ってて」

「千夏は、なにか不満なのか?」

「不満って言うか、もう面倒臭いから運良くわたし達以外全員が死んで…あわよくばわたし達だけ逃げられたらなぁとは、思うけど」

「とんでもないゲスで草」
「やっぱりこいつがクローンなんじゃねぇの」

「黙れ。ちゃんと " 達 " って入れただろしね。で、やっぱり本当に死なれたら困るじゃん」



いや、ここまで色々とされるとさすがのわたしも嫌にもなるからね。大怪我はするし、死に掛けるし、精神崩壊されかけるし。

別に死んで欲しくないって言ってる訳じゃなくて、死なれたら色々と面倒な上にわたし達が最終的に困る事になりそうだって事ね。

そりゃあ全員を説得するよりは、わたした達以外を殺した方が時間も掛からないし楽でしょうけど。それは本当に最後の最後の…最終手段でしょ。

しかも、まだあの女についてはわからない事ばっかりなのに、ここで霧崎だけ孤立は良くないと思う訳で。あいつが動き易くなるだけじゃん。



「ふはっ、わざと泳がせてやるんだよ」

「……あっ、うわっ…ゲッス。そういう事ですか、ドン引き」

「千夏、ブーメラン刺さってるよ」

「あいつ、俺等以外は多分舐めてるっしょ。で、更に自分の味方だと思ってる」

「だからって高尾を送り込むのはどうかと思うんだけど。あいつ、わたし達と居過ぎだったし。普通にわたし達側だと思われてそうじゃん」

「はい、千夏は高尾の事を舐め過ぎ。ペロペロキャンディーかよ」

「キモい死んで」



つまり、囮というか…まぁ餌にした訳ね。わたし達がいない探索で、あいつがどう動くか…それを確認した上で、戦い慣れてないゾンビと戦いながら、情報集めて、更に生きて帰って来いと。

お前等、結構酷いな。
まぁ、最初からわかってたし知ってたけど本当にクソだな。

とんでもない無理難題を突き付けた上に、選択肢を与えない辺りマジでゲスい。だって、わたし達がいないと…色々と困るのは確かにあっちもそうだし。見付けた情報を分けたら、わたし達がほぼ独占する訳で。しかも脱出に必要そうな水晶玉をはめれそうな箱も、わたし達が持ってるし。

で、わたし達がもはや形振り構ってられないレベルで暴れてるのは、知ってるから…お前等が持ってる情報を殺してでも奪い取って、俺等だけで脱出する可能性があるんだよ? と脅したと。

とんでもねぇゲス野郎だな、お前等。


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