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そして次はナイフ等の刃物類を赤司が持って来て、適当に壁などに刃を走らせるがやはり傷ひとつ付かなかった。
で、最後に手榴弾。
さすがにここで試すのはどうかと思ったが、今は全員がステージにいるって事でステージから投げてみるという大胆な事をすることになった。
そして原がなんとなくの知識で、手榴弾のピンを引き抜いてすぐに放れば大丈夫とか適当な事を赤司に教えた。
ピンを抜いてから爆発までの時間はどうした。普通、手榴弾の種類によって違うだろ。いや、まぁ…ピンを抜いてすぐに放った方が安全って事か。
そして原に言われた通りに赤司は、ピンを抜いてすぐに手榴弾を投げた。
銃とは比べ物にならないくらいの爆発音に思わず、顔を顰める。
「きゃっ…!!」
「お、おい…愛、急にどうした!?」
「大丈夫…ですか?」
「えっ…び、びっくりしただけで…大丈夫だよ」
「そ、そりゃあそうだよな…」
爆発音の後に小さな悲鳴。
そちらに視線を移せば、何故か誠凛の奴から少し離れた場所で尻餅を付いているあの女がいた。
…へぇ。
確かに、爆発音に驚くのはわかるが…その尻餅の付き方はおかしいんじゃねぇの? いつの間に移動したんだよ。ずっと火神と黒子の隣にいたはずだよなァ? どう考えてもただ驚いただけなら、あんな距離まで"飛ぶ"訳はねぇよな。
そんな事を考えていると、古橋に肩を叩かれる。
「さっきから瀬戸が花宮を呼んでいる」
「あ? はぁ…わかった」
「どうやら、千夏がグズってるらしい」
「んなの見りゃわかるよ」
「後は、赤司に任せておけば大丈夫だろう」
「原とザキがハメ外さねぇ様に見とけよ」
「あぁ、わかった」
古橋に言われて健太郎の方を見れば、千夏が全力でグズってるのがわかる。健太郎にくっ付きながら顔を擦り付ける様に頭を振っている。相変わらず、あいつは猫かよ。
仕方なく健太郎の元へ行くと、千夏の不機嫌そうな声でぐずぐずと健太郎に文句を言ってるのが聞こえる。
俺が来た事に気付いた健太郎が、助かったと言わんばかりの顔をして千夏の頭を軽くぽんぽんと叩いた。
「っ…んん〜っ…やだぁ」
「さっきの騒音で怒ってるみたいでさ」
「まぁ、かなり煩かったからな。おい、千夏こっち来い…ほら」
「……ん、…いく」
「健太郎は、俺の代わりに赤司と話しとけ。こいつ寝かし付けたら戻る」
「え、それ無理じゃない? 千夏が離さないでしょ」
…まぁ、確かに。
こいつは、グズると色々と面倒臭いからな。
既に俺に張り付いて寝る体制に入っている千夏に溜め息を吐きつつ、ゆっくりと立ち上がり赤司の元へ行く。
相変わらず、千夏の異様な雰囲気に周りがざわ付いているが、今はどうでもいい。それに俺等にとっては見慣れた光景だしな。
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