さよならと嗤う | ナノ
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こんな大所帯になった覚えはないので、赤司に言って青峰と黄瀬を引き取って貰った。

そもそも、俺等はお前等と馴れ合うつもりはねぇんだよ。

そして暫く、原達と駄弁っていると赤司が来た。今度はなんの用かと思って立ち上がると、すぐに赤司が口を開いた。



「すみません。少し来て貰ってもいいですか?」

「何かあったのかよ」

「陽泉の方達がステージ上に変な物を見付けたみたいで。一緒に確認を」

「わかった。おい、お前等は千夏を見てろよ」

「えぇ? 暇なんだけどー」

「いいよ、千夏は俺が見てるから行ってきなよ」



さすがに千夏が寝ているせいか、暇だ暇だと騒いでいた原達が愚痴を溢す。そんな原達に、健太郎が残ると言い出すのはいつもの流れだ。

そして相変わらず、原に寄り掛かって寝ている千夏を健太郎がゆっくりとマットに寝かせた。いや、起きねぇのかよ。さすがにそろそろ起きろよ。

ま、別にいいけどな。

そして千夏の事は健太郎に任せて、原達を連れて赤司に付いて行った。



「これアル。なんかのタッチパネルみたいな感じアルよ」

「触ったりしましたか?」

「一通り触ったり押したりはしたぜ? でもなんも起こんねぇな」

「ふぅん。サイズ的に指紋認証パネルとかじゃないのー?」

「触ったりしたっつったろ。なんも反応なかったんだよ」

「いや、正解じゃない限り反応しない可能性もあります。とりあえず、順番に触れてみましょう」



陽泉の連中が見付けたのは、縦横3p程の小さなパネルだった。しかも、何をどうしたらそこに付けるんだよという様な異常な場所にあった。

演台の中というか、演台の下に隠すようにあったの事。少し、動かしてみたら見付かったらしい。

そして赤司の提案にこの場にいるメンバーだけで、とりあえず順番に触ってみるが特に何も起きない。

ま、そりゃあそうか。



「面倒臭いから全員やればいいんじゃん? どうせやる事ないんだし」

「そうですね。では、今体育館にいる全員に触れてもらうという事で…いいですか?」

「いいんじゃねぇの」

「それでいいアルよ」

「うちの千夏と健太郎は、最後でいい」

「はい、わかりました」



ふはっ、さすが原だな。

全員となれば、あの女も参加せざるを得ないからな。このパネルのキーになるのは、間違いなく千夏かあの女だろうからな。あの女がキーの場合、素直に協力するとは思えねぇし。

それとここを軽く調べたのはどこの学校だったかも、聞いとくべきだな。もし誠凛だった場合、わざとあの女が隠していた可能性もある。

ま、ただの見落としなら見落としで構わねぇが。



(全員が触れましたね)
(…特に何もねぇな)
(ふぅん。なるほど?)
(あいつ等は呼ばねぇのかよ)
(…花宮さん、呼んでいただけますか?)
(あ? わかってるよ)
(それよりさー、ここ誠凛が調べたってまじ?)
(そ、そうよ…)
(へぇ…見落とし? それともわざと?)
(ない話じゃねぇよなー)
(確かに。非協力だったからな)
(おい、その辺にしとけ)
(はーい)(おう)(あぁ)

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