さよならと嗤う | ナノ
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◆◇◆◇◆

探索班を見送り、赤司が千夏の様子を見たいというので仕方なく連れて行く。



「なーに、キセキ集まり過ぎじゃない? うけるんだけど」

「すみません。少し志波さんの様子が気になって…ぐっすり寝てるみたいですね」

「体力の限界だったし、怪我もしてたみたいだからな」

「怪我の具合は?」

「詳しくは知らねぇけど、どうなんだ健太郎」

「前の腕の怪我よりは浅いけど、脇腹だから傷が開き易いかな。千夏は無駄に動くし」

「…そうですか」



赤司が来た事に原が反応するが、爆睡してるのか千夏は全く起きる気配がなく原に寄り掛かったまま丸まっていた。

おい、立て膝。
なんで誰も直さねぇんだよ。

仕方なく足で蹴って、千夏の立て膝を崩すと嫌だったのか物凄い顔して体を捩った。

そもそも、下着でふらふらするくらいだから気にする必要もない気がするが、別に見ても嬉しくもねぇからな。むしろ、慰謝料払えよってレベルだ。



「で、まじで様子見に来ただけとか言わないよねー?」

「え、ちげぇの?」
「はい、ザキばかー」
「んだと、原ァ!!」

「いえ、本当に様子を見に来ただけですよ。志波さんには、かなり無茶をさせてしまったので」

「…ふぅん。ま、千夏には俺等がいるし平気だけど」

「今日はヤケに原のセコムが強いな」
「キセキに懐かれてるから嫌なんじゃない?」

「古橋と瀬戸、黙ってくんない?」



図星だったのか一気に機嫌が悪くなる原に、ザキがいつものお返しと言わんばかりに絡んでるが無視だ。どうせ、原に負かされる。

で、満足したかと赤司に聞くと小さく頷いた。よくわかんねぇけど…ま、別にいいか。

それはそうと、黄瀬と青峰はなんでここにいるんだよ。テメェの学校のところに戻れよ。いつまでここにいるつもりだ。役に立たねぇなら、ここにいるんじゃねぇよ。



「それと青峰と黄瀬は、なんでここにいるんだ? 探索前は、志波さんを警戒してたはずだろう。何か感じた事があったのか?」

「別に俺はそこまで難しく考えちゃあいねぇけど、こいつがクローンだとかには思えねぇってだけだ」

「ふっ、青峰の勘は良く当たるからな。まぁ、自分が感じたままを信じればいいさ」

「俺は、もうちょっと志波さんを知りたいっていうか…そんな感じッス!」

「クソ懐かれててちょーうける」
「なお、本人はキセキが嫌いな模様」
「…いや、お前等も嫌いだろ」



…クソ面倒臭そうだな。
つーか、高尾でさえ使えるからって理由で渋々ここに来るのを許してるっつーのに、そんな理由で居座ってんじゃねぇよ。

もっと役に立ってから出直せ。


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