さよならと嗤う | ナノ
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そして何故か、わたしの横をずっと付いてくる黄瀬が鬱陶しい! クッソうっぜぇ!!



「志波さん…俺、」

「話し掛けんな」

「っ………」

「面倒くせぇな! お前はよォ!? わたしはTシャツを青峰に返さなきゃなんねぇんだよ!!」

「…俺、話がしたくて」

「うっぜぇな! 面倒くせぇから一哉達と話してろよ!!」

「…じゃあ、待ってるッス」



はぁっ…はぁっ…イライラする。なんだあいつ、わたしをイライラさせる天才かよ。

そしてわたしの怒鳴り声にかなりの人がわたしの存在に気付いた訳だが、コソコソなんか言ってんじゃねぇぞこら。見世物じゃねぇんだよ、殺すぞ。

もう面倒臭いから走らなきゃ大丈夫だろうと、立ち上がる事にした。しかし、限界だったわたしの足はガックガクである。 生まれたての小鹿かよ!!

立つには立てたが、まともに歩くのは無理そうなので素直にしゃがみ、またハイハイをする事にした。

もはや、変人過ぎてヤバい。



「…あんた、何してんだ?」

「……テメェのTシャツ返しにお前んとこに向かってたんだよ、このやろう」

「谷間すっげ」

「お前は本当に胸しか見てねぇなァ!? おら、Tシャツ。不本意だけど、ありがと」

「あんた、変な女だよな」

「見下してんじゃねぇぞ、ガングロ」

「あんたがしゃがんでんだろ」



お前、クッソムカつくな!
Tシャツを放り投げるとそれを拾い、何故か鼻で笑う青峰にイラッとした。物凄くイラッとした。

とりあえず、借り(Tシャツ)は返したから帰る。早く霧崎スペースに戻って、脇腹の怪我を手当てしなければ。痛みはそこまでないが、後々動けなくなるのは困るからな。

そしてUターンをして帰ろうとしたら、何故か青峰に腹から抱えられた。クッソ痛い上に雑過ぎて、口からなんか出て来そうになって思わず嘔吐く。



「…何してんだよ、お前はよォ!!」

「いや、運んでやろうかと思って」

「荷物扱いかよ、しねガングロ」

「どさくさに紛れておっぱい触れそうだし」

「クズかよ! いや、キセキは全員クズだと思ってるけどな!!」

「へぇー」

「興味ゼロかよ! つまんねぇ奴だな!!」



そして何故か、青峰に担がれたまま霧崎スペースへ。

一哉がめっちゃ青峰を睨んでる気がするが、目が見えないから知らんな。つーか、高尾は笑い過ぎなんだよ!

そしてゆっくりとわたしを下ろすと、何故かツンツンと胸を突っつき、"おぉ…"とかクッソ間抜けな声を出した。

その瞬間にわたしが青峰を殴ったのは、仕方ないと思う。というか、お前はわたしってより胸にしか興味ねぇだろ、クソが。

つーか、本当に黄瀬までいるし。なんなの、なんかキセキがクッソ面倒くせぇんだけど。


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