さよならと嗤う | ナノ
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なんか真がめっちゃ怒ってるけど、そんなのは無視である。ていうか、青い水晶玉の観察まだ終わらないのかよ。



「ぶはっ! 千夏さん、チョロ過ぎじゃないッスか?」

「千夏は普段猫被ってるから、クズでゲスの本性を知ってる相手からの好意に慣れてないんだよ」

「おいこら健ちゃん、言い過ぎだろクソが」

「うむ、実際千夏は見た目だけだからな。告白された後にどこ見てんだよー節穴かよーっとゲラゲラ笑うくらいにクソだぞ」

「ちきしょう…グーの音もでねぇや」

「ま、そんな千夏さんが俺は好きッスよ。媚売んない感じとかー」

「おいばかやめろ。 高尾死すべしー! お前、絶対に許さんからなァ!? わたしは、お前が嫌いじゃー!!」

「ぎゃはははは!!」



もうやだ、消えたい。というか、高尾を消したい。

こいつ絶対にわざとだ。

そもそも、猫被ってる時に寄って来る男はみんなクソだと思ってるから。猿以下の可哀想な生き物だと思ってるから、わたしの慈悲で優しくしてあげてるだけだから。面倒臭いから優しくしてるだけだから。

それを勘違いしちゃって好きとか言い出す奴は、まじでクソ。まじで面倒臭いから死んで欲しい。



「そういえば、千夏って俺等以外に友達もいないもんねー。まじぼっち乙」

「あぁ? 勘違いしちゃった系友達なら腐る程いるわ」

「ぶほぉっ…! な、なんスかそれっ!」

「わたしと友達と勘違いしてる可哀想な人達の事」

「本当に千夏で性格クソだよね。黙ってれば顔だけは可愛いのに」
「すぐ手も出るからな」
「パシりにするしな」
「口悪過ぎだし態度でかいしー?」

「お前等、わたしの事嫌い過ぎだろ」

「「「「ははっ、何を今更」」」」

「そのまま揃ってしね」



そんな会話をひぃひぃと腹を抱えながら笑って聞いている高尾は、至極愉しそうである。このやろう、お前…本当に馴染み過ぎだろ。

いつも以上に周りからの視線が痛い。いや、もうここに来てから常にだから慣れたもんだけどさ。

そんな事を考えていたら、ずっと青い水晶玉を観察してた真がわたしの方をジッと見てる事に気付き、ファッキンポーズをお見舞いしてやった。

そしたら、なんの躊躇もなく頭を叩かれて隣にいた高尾に頭突きをする形になった。なんて事しやがる、このクソ眉毛。



「いてぇな! クソ眉毛!! その眉毛毟り取ってアイデンティティー無くしてやろうか!」

「で、花宮は何か思い付いたの?」

「……この水晶玉、他にも種類があるんじゃねぇかと思ってな」

「無視すんのやめろ殺すぞ」

「ぎゃっは! 千夏さんテンション高過ぎっしょ!」

「ちょっと、千夏と高尾うっさーい。で、なんでそう思った訳?」

「そもそも、俺等の手に渡って欲しくないなら黙って持ち帰って壊すなりすりゃあいいのに、教室にわざと置いてたって事はあいつにこの水晶玉が壊せないか、今はまだ使えないから放置して大丈夫だと判断したから、とかだな」



うわ、めっちゃ考えてた。
わたし達がバカな話してる間に、クソ真面目に考えた。

え、なんか、ごめんね。

ていうか、普通に考えたらそうだよな。あいつにとって良くない物なら破壊するなり、もっとわからないところに隠しそうだしなぁ。

それに、確かにこの色の水晶玉だけだとは限らない。ま、この水晶玉が青い時点で他にも種類がありそうな感じはしたしね。


(花宮的には全部で何種類の予想?)
(あるとしたら、5種類で5色だろうな)
(あ、なるほど? 2ーBは東側だからね)
(は? なんの話? 異次元会話やめろ)
(五行思想だよ)
(! え、まじかよ、よく気付いたね天才かよ)
(えっ、どういう事ッスか?)
(いや、俺にもよくわかんねぇ…)
(高尾とザキがバカなのわかったけど、まじでそうだったらだっるー)
(多分、脱出に必要不可欠だろうしな)
(ふはっ、だろうな)
((???))
(まぁ、赤司には俺から言っといてやる)
(高尾が秘密にした意味)
(いや、そこは任せますよ!)

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