さよならと嗤う | ナノ
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へぇ…やるじゃん。
さすがにただのバカではなかった訳だ? ま、イイコちゃん達と仲良しごっこしてるのも、全部計算なのはわかってたけど。

また真に呼ばれて、赤司から探索であった事を詳しく教えて貰った。ちなみに、ちゃっかり高尾は霧崎スペースに向かって行きました。あいつ、まじ有能。



「それと、また霧崎の方に怪我をさせてしまってすみません」

「なんでわたしに言うかな。別に、真の命令で赤司を守っただけでしょ」

「いえ花宮さんにも言いましたが、山崎さんに関しては俺のミスですから」

「ふぅん。それで、結局はどうすんの?」



赤司から話を聞いて、色々と思考を巡らせていると真っ直ぐとわたしを見て赤司が頭を下げた。

いや、まぁ…うん。見事に目に見える怪我をしてるのは、霧崎だけだからわかるけど。別に、全部あんたのせいじゃないからね。さすがに理不尽に責める気はない。それに、弘のもわたしのも…半分くらいは自分が悪いし。

それと、それに見合う情報を手に入れた訳だから問題ない。これで何一つ手掛かりも情報もないってなったら、わたしもキレてた可能性はあるけど。

2ーAと2ーBを軽くでも探索出来た訳だし。それに弘が怪我したんじゃ、早めに撤退するのも仕方ない。



「それで、当分は彼女を探索に連れて行こうかと思っています。かなりの危険が伴いますが、それ故に見えてくる手掛かりも多そうなので」

「だよねーわかってた。で、更に更に?」

「…チッ、わかってて聞いてんじゃねぇよブス」

「…花宮さんすみません。あんな重体を負った志波さんをまた探索班にするのは、どうかと思いますが…お願い出来ますか?」

「おっけー。怪我も治ったし、何よりかなり鬱憤溜まってるから任せて」



だよね、話の流れ的にそうなる事は予想出来たし。ていうか、真がまじ嫌そうで笑う。どんだけわたしを探索に行かせたくないの、心配性かよ、わたしの事大好きかよ。

ちなみに赤司があの女を観察(?)してわかった事は、ゾンビはあの女に対して攻撃をしていない事。もちろん、襲われそうになるフリとかしてたらしいけど全然攻撃が当たる範囲じゃなかったらしいし。

それと、何故かゾンビが強化されてた…らしい。今回は、まだ研究員のノートは発見出来ていない。それにまだ帰って来てない探索班も、箱を開ける鍵を持ってないので研究員のノートを見た可能性は極めて低い。もちろん、別口で鍵を見付けて研究員のノートを見付けた可能性もあるが、まずないと思う。

で、こっからが重要。
もしかしたら、あの女が近くにいるとゾンビが強化される可能性。そしてゾンビの固さ強化はもちろんだが、ずっと手ぶらだったゾンビが武装していた事。

ま、そもそも武装なしのゾンビならザキがあんな怪我をする訳ないし。あれは完全に刃物で切られた様な傷だった。


で、まだ確証がない上にかなりのリスクを負うが…あの女とわたしがいた場合のゾンビの変化を見たいと。


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