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とりあえず、今は赤司達が無事に帰って来る事を祈るしかない。しかも、もう囮チームとか出来ないからね。わたし、怪我治っちゃったし。
あ、それと赤司班とは別に探索に行ってるのは桐皇と洛山の探索班。
桐皇から諏佐さんと青峰、あとなんか謝る子。洛山から黛さんと実渕と根武谷って感じ。
赤司達が3階で、桐皇洛山が2階って感じ。
ちなみに洛山ボッチの葉山は、ずっと寝てるらしい。あいつ、まじで神経図太いよね。いや、あいつ起きてたら霧崎に来そうだし、うるさいからいいけど。
「あの…少しいいですか?」
「……」
「…チッ」
「2人してなんちゅー顔しとるんや。それで、なんや黒子?」
「クローンがいるというのは本当なんでしょうか。それと、何故…姫野さんを探索班にしたんですか?」
「はぁ…わたし戻るから」
「待って下さい」
誠凛の中でも1番嫌いな奴の登場で、わたしの内心は穏やかじゃない。ていうか、顔も見たくないんだけど。
すぐにその場から離れようとしたが、何故か腕を掴まれた上に呼び止められて思わず舌打ちをして、腕を振り払った。
そんなわたしに悪びれた様子もなく、真っ直ぐと見つめてくる。見てんじゃねぇよ、死ね。
「なに」
「志波さんはどう思ってるんですか? 本当にこの中にクローンがいて…僕達を殺そうとしてると本当にそう思いますか?」
「は? 何言ってんだこいつ。テメェと違って、こっちは命掛けで探索に行ってたんですけど? 信じたくなきゃ信じなきゃいいだろ、面倒くせぇな」
「…それに愛さんをなんで探索班にしたんですか。赤司くんが意味もなく…そんな事をしないとはわかっていますが…愛さんは、貴女と違って強くありまっ」
「あ? そろそろ黙れ。クソみたいな言葉並べる暇があるなら、もう少し頭使えよ」
あ、真がキレた。
正直わたしはこいつが嫌いだし、こいつもわたしが嫌いだろう。だから、大好きなあの女と、大嫌いなわたしを比べるのはなんとなくわかる。それにわたしを疑ってるのは、最初からわかってたし。
ていうか、今更だし?
だけど、それをわたしに言ってどうすんの? アレですか? 僕の愛さんに手を出したら許しませんから…みたいな奴ですか? なにそれ気持ち悪いし、心底うぜぇからやめてくんない。
とか思ってたら、真がすっげぇ顔で黒子のこと睨んでて、ちょっと落ち着いた。ていうか、笑いそうになった。
「テメェのクソみてぇな問いに答えやるよ。まず、クローンがいるか? んなの知るかよ、こっちだって全部わかってる訳じゃねぇんだよ。それでもテメェ等にわかりやすいように説明してやってんだ、有り難く思え」
「…今吉さん今吉さん、わたし帰っても」
「ダメに決まっとるやろ…」
「それと、姫野がなんで探索班かって? 本人が行きたいって言ったからだろうが。テメェ等の物差しで好き勝手言ってんじゃねぇぞ。それに、死に掛けてまで情報を手に入れて来た相手に随分な言い種だなァ? イイコちゃんは、自分とクソみてぇな友情ごっこしてる奴等以外は死んでもいいってか?」
おぉっと…これは予想以上にぶちギレてますねぇ。
さすがの今吉さんもマジギレしてる真を止められず、わたしと静かに見守るだけになっている。ていうか、なんかとばっちり来そうだしまじで逃げたい。
そして、サラッとわたしの事を言ってくれてる。ツンデレかよ、まじでツンデレかよ。でもちょっと嬉しかった。
しかし、顔がすっげぇ事になってて…ちょっと怖いんでやめて下さい。笑っちゃう。
(…気分がわりぃ。なにかあれば呼んで下さい)
(お、おう! わかったで)
(千夏行くぞ)
(あいあいさー)
(舐めてんのか)
(八つ当たりやめてくんない?)
(うっせ)
(てか、真もわたし大好きかよ)
(ついに頭湧いたか?)
(ツンデレかよ)
(俺は、あいつが気に入らねぇだけだ)
(それは激しく同意)
(出来る事なら切り捨ててぇくらいだ)
(あの女に期待しようぜ!!)
(ふはっ…そりゃあいい)
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