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結局あの後、真にもマジギレされた挙げ句…探索には当分行かせないと言われて、わたしはかなり機嫌が悪い。確かに、わたしが悪いんだけど…言い過ぎだろ、あの眉毛。
「花宮は、ほら…立場があるから。表に出せないだけで、かなり心配してたよ」
「ツンデレかよ」
「ていうか、あの女まじで帰って来ないで欲しいんだけど」
「むしろ、あの女だけが帰って来る可能せ」
「ない話じゃないからやめような?」
「はい、すみませんした」
わたしが寝ている間にかなり色々な事があったらしく、クローンがいる事は公にしたり、探索はローテンションで全員参加する事になったとか。
なお、女子は自己申告制らしいですよ。ならわたしの意見も聞くべき、いやまじで。
ちなみに康次郎と弘は、探索班らしく今はいない。ていうか、結局は霧崎を酷使してるのがうける。わたしの事があったのに容赦なく、霧崎を使うとかまじでうける。
ま、多分だけど真が気にせず霧崎は出れるって言ったんでしょう。真なら絶対そう言うと思う。
「あ、千夏これ飲んで」
「なにこれ媚薬?」
「は? んな勿体無い事する訳ないじゃん」
「回復薬…らしいよ。ちなみに既に原が毒味してるから大丈夫」
「ちょっと瀬戸、それ言わないって言ったじゃん」
「一哉、わたしの事大好きかよ」
「まじで犯す、覚えてろよ」
だって、あの一哉が得体の知れない液体をなんの理由なく毒味をするなんて有り得ないでしょ。わたしの怪我が治るかも知れないって、毒味したんでしょ? まじでツンデレかよ。大好きかよ。
しかし、一哉がキレ過ぎててヤバい。なにがヤバいって息をする様にずっとキレてるんだよね、こいつ。
そして相変わらずキレてる一哉から小瓶を受け取り、まじまじと小瓶を見つめる。
うわぁ…すっごい色してる。絶対に普通の人間が飲んじゃいけない色してる。
「緑の液体とか飲みたくないんだけど、これ絶対に毒だよ」
「千夏は、よくメロンソーダとか飲んでるから大丈夫大丈夫」
「適当かよ」
「ま、味はとにかく…怪我はまじで治るから飲んでみなって」
「って事は、一哉も怪我してたの?」
「は? してねぇし千夏じゃあるまいし」
「はい嘘乙」
「次、ふざけた事ぬかしたら口塞ぐから」
とりあえず、飲みたくないけど…まじで飲みたくないけど! 怪我が治るのはとても助かるので、意を決して小瓶に入っている緑色の液体を口に含んだ。
…温いし、なんかぬるぬるしてるんだけど、物凄く不快な飲み心地に思わず口を押さえる。
しかも味も、なんか変な感じするし…まじでこれで怪我が治るの?
そして、やっとの思いで液体を飲み込み…健ちゃんと一哉を見つめた。
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