さよならと嗤う | ナノ
09*(2/4)


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ふぅん、やるじゃん。

早速ゾンビと遭遇してちゃちゃっと全滅させたんだけど、思ってたより氷室と紫原が戦えるでかなり楽をさせて貰った。

ていうか、やっぱりゾンビが固くなってんだよねー。いや、まじで面倒極まりない。



「康次郎、もう2階に行く感じ?」

「いや、そこの視聴覚室も鍵が掛かってたらしい」

「ふぅん。ていうか、鍵を使うってなると普通の教室じゃない気がするんだけどねー」

「ホラゲだと、やっぱり名前付きの教室が怪しいよねー」

「ホラゲーではないけどね。ま、蛍光灯はチカチカしてるし、廃校でごっちゃごちゃでホラー感はあるけど」



とりあえず、真達が1度見た職員室・校長室・会議室・事務室・放送室はスルーして真から渡された見取り図を確認しながら、鍵が使えそうな教室を探してるんだけどー。

まぁ、なかなか見付からないよね。ちなみに音楽室は、鍵が合いませんでしたー。はい、無駄足。

で、次に近いのが更衣室と保健室と福祉室らしいけど、どれも開かなそう。ていうか、調理室と技術室と家庭科準備室も開かなかったよね。てか、もはや1階を1周する勢いでうける。



「なんつーか…思ってたより、お前達も普通なんだな」

「はい? 常日頃から殴り合いでもしてると思ってたんですか」

「ふっ…言葉の殴り合いならいつもしてるだろう?」

「は? 面白くない、黙ってて」

「すまない」

「ていうかー、試合中と同じな訳ないじゃん?」

「お前は敬語を使え。嫌でも使ってるわたしを見習え」

「おい、嫌なのかよ!」



福井さんの言葉に思わず返事をしてしまった。いつもなら絶対にスルーするのに、アレだ余りにも何も起こらないから、相手しちゃったやつ。

ていうか、試合の時はゴミクズのゲスラフプレーしますけども、さすがに常日頃から暴力的ではないよ、多分。性格がクズでゲスだから問題は色々起こすけど、それ以外は普通だ普通。

ま、わたしと真は猫被ってるから問題とか起こしませんけどね。面倒臭いし。

高尾がちゃっかり霧崎に馴染んでるのは、そういう事だよね。



「なんつーか、まぁ…探索には慣れてるだろうし、頼りにしてるっつーか…」

「え? あぁ…そこは期待してないんで大丈夫ですよ、はい」

「即答やめろ」

「うむ、ここが更衣室だな。女子からでいいか」

「じゃ、古橋よろー」

「お前等はお前等で、無視して進むのやめろ。氷室と紫原も普通に付いて行くな」

「ふふ、原くんや古橋くんに負けられないじゃないですか」



なんだこいつ、面倒くせぇぞ。イイコちゃんっぽい福井さんをからかうのは、それなりに愉しいからいいけど…氷室、お前は色んな意味で面倒臭そうだな。

なんていうか、氷室はアレだよね。自分が認めた人以外は全員敵って感じ、しかも身内がバカにされるとキレるやつ。めっちゃ面倒臭いやつ。

ちなみに紫原はどうでもいい。なんかめっちゃ腹減った腹減った煩いけど、スルーしてるからどうでもいい。

しかし、確かに食料不足は死活問題である。なんか知らんけど、体育館にあった携帯食料だけだったからね、お腹は空くよね。


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