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ていうか、自分以外は化物の可能性があるって事をちゃんと考えてるのはいい事だよね。だから、高尾は正解。
「あ、それと千夏さんが化物じゃないと思う理由として。普通にゾンビに攻撃されてたんで違うかなーって、それも計算だったらアレですけど普通は攻撃されてるフリくらいじゃないッスか」
「観察力異常かよ」
「かすり傷程度ッスけど、千夏さん攻撃食らってたし。そもそも、千夏さんならこんな回りくどい事せずに真っ正面から全員殺しに来そうってのが、正直な気持ちッスね」
「じゃあ、実はその化物がわたしのクローンかもしれないって言ったらどうする?」
「ちょっと千夏」
「大丈夫大丈夫。もし敵なら後で殺すから」
「それ大丈夫じゃない」
「…へぇ、なーるほど? だったら、姫野さんが千夏さんに執着するのも頷けますねー。千夏さんに成り代わろうとしてるとか、そんな感じじゃないッスか?」
「うわぁ、有能過ぎてキモいんだけどー。高尾なんなの? ていうか、もっとリアクションあるでしょ」
あ、やっぱりそうなる?
あんまり驚いた様子もなく、淡々と話す高尾に一哉が若干警戒しててうける。
だけど、高尾の洞察力とか考察力を見る限り…絶対にわたし達の有利になると思った訳で、わたしの独断でクローンがいるって事を話しました。
まぁ、まだ"あの子"が100%わたしだって言える訳じゃないけど。だけど、高尾が言うようにわたしに執着してる時点でやっぱり、わたしが"あの子"の可能性はかなり高いんだなぁ。
「花宮から聞いてたけど、確かに使えそうな子だね」
「ぎゃはは! 使えそうって! まぁ、ここから脱出する為ならそれなりに協力はしますよ?」
「ま、千夏が実はクローンだったらドンマイだよねー」
「ねぇよ、殺すぞ」
「ぎゃっは! まじ物騒! ま、他の人達は千夏さんを疑ってるみたいッスけど、俺は千夏さんを信じてるんで」
「はい、ダウト」
「ぶふっ、即答!!」
「信じなくていいから。素直に疑っとけ疑っとけ」
別に信じて欲しい訳じゃないし、ただ同じ相手を疑ってる同士協力しましょーね? みたいな感じ。
もちろん、わたしを敵だと認識したら躊躇せずに掛かって来てくれて構わないし? ま、簡単には殺られないけど。
ていうか、容赦なくわたしを疑ってるムーブをする一哉達にマジで笑う。いや、わかってたけど笑う。
大丈夫大丈夫、わたしがクローンだったらもう既に弘と健ちゃん辺りは殺してるから。ま、信じろとは言わないけど…わたしは、お前等を殺してまで生きたくはないかな。
てか、そもそも相討ちとかになりそうだし。
だから、早く探索に行こうぜ。次の情報を早く手に入れるべき、鍵もあったみたいだし、早く鍵を使うべき。
(てか、花宮の視線が痛いんだけど)
(高尾がうるせぇから仕方ない)
(ちょ、酷い!)
(それに周りからの視線も痛いな)
(高尾が俺等と仲良さそうにしてるからじゃーん?)
(仲良くねぇけどな、相変わらず頭ん中お花畑)
(ぶふっ、俺等仲良しじゃないですかー!)
(なに言ってんだ、お前。頭湧いた?)
(ぎゃはは! 俺、千夏さんのそういうとこすきッス)
(ドMかよ、気持ち悪いから近寄らないで)
(ぶふっ、ドMじゃないッス!)
(は? 高尾は腹黒ドSっしょ)
(うはっ! 腹黒まで付いた!)
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