さよならと嗤う | ナノ
08*(2/4)


結局、あのノートについては間違いなく混乱を招くという事で…とりあえずは保留。

ちなみにクローンを作ったサイコパスの日記の内容を知ってるのは、霧崎と赤司と今吉さんだけ。

で、ゾンビ湧き人間のドロップした黒いメモと放置されてた黒いメモについては霧崎全員と高尾と緑間、赤司と今吉さん。

つまりは、ほぼ情報を提示しないって事で話が纏まった訳ですね。ま、もちろん最低限の情報は提示しましたけど。

ゾンビが強くなったとか、開かない部屋があるとか、鍵が手に入る可能性があるとか。



「あ、そうだ。ゾンビが強くなった話なんだけどさ」

「あ?」

「わたしの予想が当たってれば、この先かなりキツいと思うんだよね」

「ふはっ、だろうな」

「ゾンビが強くなったのってその研究ノートのせいでしょ。これ以上、探索されない様にって」

「せやなぁ、俺はまだ対峙してへんけど…そんなに変わったん?」

「レベル1のスライムからレベル5のスライムくらいには」

「例えがよくわかりませんけど、強くなった事には変わりないと」



は? 分かりやすく説明してやったのに、わかんないってなんでだよ。ま、強くなったのがわかればいいんだけどさ。

それとその情報をみんなに話してる時に、赤司が自分達がどこの教室で目を覚ましたか、時計は見たかという問いをした。

そして驚く事に、みんな時間を見てたらしい。だが、探索はしてない奴等ばっかりらしい。はい、クソ無能。ま、わたしもそこまで探索してませんけど。それと弘と氷室に関しては、目を覚ました時に1人だったらしいよ。うける。

ちなみにわたしと一哉が目を覚ましたのは、多分3ーC。で、弘が3ーEらしいよ。ゾンビに追われてた理由がよくわかる瞬間である。

で、弘が目を覚ました時間は多分わたしと一哉とそんな変わらないはず。

そして、問題のあの女も1人でのお目覚めだそうだ。しかも時間も教室もあからさまにおかしい。絶対に狙っただろ、お前。



「1番最初が、実渕と葉山と黛。ほんで、次からは適当に〜って感じやな」

「そして、最後に姫野さんですね」

「場所も覚えてる奴がいたら、報告しろ。見取り図に書き込む」



そして3人が中心になり、全員から時間と場所を聞いてるのを見て、逃げるように3人から離れる。だって面倒臭いし、情報整理は任せた。

で、一哉達のところに来たはいいけど…クソ程興味なさそうだな、お前等。

そんな中、一哉がうわぁ…と声を漏らして目線の先を見れば、誠凜の連中があの女に駆け寄ってて、クソつまんねぇ茶番をやってるみたいで吐きそうになった。



「本当に最後って言ったんだ?」

「らしいねぇ?」

「千夏めっちゃ悪い顔してんじゃん、うける」

「だって、わたし達の後に来たとか信じられる?」

「いや、全く? つーか、嘘っしょ。仮に最後だとして、1人であの薄暗い校舎ん中をゾンビに会いつつも無傷で、あの短時間で来れる訳ないっしょ」

「それな。むしろ、わたし達より少し早めとかだったらまだ信憑性あったわ」

「でも千夏は信じないでしょ?」

「んなの当たり前じゃん」



つーか、どう見てもこのメンバーの中で異物な訳で…信憑性もクソもないよね。だって、バスケ関係者じゃないし。

てか、高尾がなんかめっちゃニヤニヤしてこっち見てるんだけど。なんなのあいつ? 殴ろうか?

今なら2発で許してやるよ。


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